2018年8月25日(土)

「なぜこんな古いものを飲むのか?」という素朴な疑問の答えは

 

「若いものよりすごく美味いから」。

 

ここ10年くらいの間に

 

ワインは5年から10年でダメになるものと

 

信じている人が多くなり話が通じない。

 

1995,6年位の物でも’古酒’などと呼ばれ、

 

驚いたことがあるが、それが普通になったようだ。

 

何度も書いているが、1980年代に入り相続税が上がり

 

相続できない蔵が続出したことと、濾過フィルターができたこと、

 

政治的に生産地の面積をそのままに生産量を増やしたこと等。

 

何れも消費者の為にならないことが多かったのが

 

1985年以降のワイン。

 

ということは「それ以前の物を飲めばいい」これが

 

簡単な答えだ。

 

写真のヴィンテージシャンパーニュ右から5本は

 

年号が入っていないのもあるが全て30年以上経っている。

 

ラベルデザインが10年ごとに少しずつ

 

変わるので比べると何年ごろのか分かる。

 

IRROYのフランス語読みは「イロワ」で

 

これは60年代。隣の赤十字は貴族の証の

 

DEが前に付くドカステラーヌこれも60年代。

 

何れも微発砲というよりはほぼ’泡’がない。

 

しかしシェリーを飲んでいるようにコクがあり、

 

まったり感に後で包まれる。

 

この余韻の優しさに触れたら癖になってしまう。

 

そしてその酔い心地がとても穏やかなのだ。

 

参加メンバーの中でも60半ばの方もおられ、

 

「実は最近赤ワインが飲めなくなった」と

 

おっしゃり、自分も最近80年代後半の物でも

 

強く感じられて酔いが回るようになり、

 

大人になったことを痛感させられている。

 

これらのシャンパーニュにはその’強い酔い心地’

 

がない。だから危険で飲み過ぎてしまう。

 

70年代と思われるブランデーを思わせる瓶の

 

コモドアは古すぎず、とてもいいバランスで

 

何時までも飲めてしまう。次の唯一のヴィンテージの

 

1983年アンリオも軽く飲みやすい。

 

一番若いと思われる黒ラベルのルイドーモンは

 

ドミセックとあって優しい甘みが豊富で飲みやすい。

 

このような「古酒」の経験のない方は

 

(探すのは大変だが)

 

このドミセックを探してみるのもいい。

つまみの写真を取り忘れて、この「タコ飯」の一枚だけ。

 

生タコを酒と塩だけで茹で、その煮汁で炊いた飯に

 

スライスしたタコのトッピング。

 

タコと煮汁を含んだ飯の旨いこと旨いこと

 

シャンパーニュとの相性も抜群で、それぞれの旨さを

 

打ち消すことなく、飯を口に運びシャンパーニュで

 

流し込むと、タコ、飯、煮汁そしてシャンパーニュ

 

それぞれの旨味が舌の上に並びきちんと喉を下りて行く。

 

この旨味を理解するのは日本に住まなくてはならないだろう。

 

私の心の師匠の邱永漢さんに言わせれば

 

「日本人に生まれるでなく日本人になる」と

 

生まれよりも育ちの環境を示している。

 

まるでワインも同じだ。

 

このキーワードを感じさせるマリアージュを

 

サプライズでやってみたので、ボトルが多くなった。

 

というのも9名で5本のシャンパーニュは絶対

 

足りなくなると思ったからで、

 

誰も絶対と良いくらい試さない和菓子それも

 

お店でなく家庭で食べるようなもので合わせてみた。

 

’76ロクストンポートhttps://www.uogin.com/shop02.php?item=108

 

にはあん餅、

 

’77トカイhttps://www.uogin.com/shop02.php?item=118

 

には みたらし餅と醤油煎餅、

 

アサイーとブルーベリーの入ったチョコレートに

 

合わせたのは今年71歳のバニュルスそれに

 

100年原酒をブレンドしたセペルトトーニーポート。

 

中締めを2回してもお開きにならなかったのは

 

当たり前か。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

クリアスペース

PAGE TOP