ブログ

2024年8月29日(木)

この蔵出しワインは外気温が15度以下の時期に、

 

ワイナリーから5日で仙台に届き、

 

それからセラーで25年眠っていました。

 

プロでなくともラベルの新しさと

 

ワインの液面の高さは気が付くと思います。

 

約40年前のワインがこの状態を保っているのは

 

普通はありえないことで、

 

時代の変化で届ける予定の飲食店が

 

次々閉店、そして大地震と出番が無いまま

 

今日に至ってしまいました。

 

其のおかげと言っては何ですが、

 

今回の試飲のチャンスが訪れました。

 

初めての方だけでなくレギュラーの方達も

 

蔵出しだけを飲むのは初めてで、

 

興味深々で始まりです。

 

いつものように前日24時間前に抜栓、

 

6時間前にデカンタージュをしながら

 

香りと味の開き具合を確認します。

 

蔵出しでコンデイションが良いと、

 

多分2000年代と間違うような香りと

 

まだ初々しい酸味を感じられます。

 

これは蔵出しワインに主に感じられる特徴です。

 

魚で言うと活魚のプリプリ歯ごたえを味わっている

 

ような感じです。

 

最初の1988年レヴォークランも味わってから

 

少しすると若いワインにはない奥行きと、

 

立体的なスケール感が出てきます。

 

甘みよりも酸味が強くほんのりとした渋みも感じます。

 

後味の余韻の長さが特徴です。

 

次の85年は3年の違いは大したことがないと

 

思われそうですが、

 

子供でも3歳になれば歩くししゃべるし、

 

大人しくしてくれません。

 

ワインの3歳違いもとても大きな変化があり、

 

まず香りの強さは同じでも熟成香が深まり、

 

落ち着きが違い、ずっと飲んでいたいような味になり、

 

安心させてくれます。

 

次のヴォルネーも同じで、

 

味と香りの奥行きが変わり、

 

つまみにとても寄り添ってくれるようになります。

さごちタタキはエシャーレット醤油で、

 

またカツオは山椒醤油と和からしで合わせると、

 

ワインと距離が縮まります。

 

写真の下の方に少しだけ写っているのは、

 

活わたりかにのケジャンで辛い唐辛子味の中に

 

甘みと旨味が加わったもので、

 

通常は韓国水あめを使うのを、

 

我が家ではスコットランドのヘザーハニーを

 

使っているのでよりワインに寄り添います。

そして〆は龍神丸で炊いたタコ飯。

 

これは日本酒で炊いたにも関わらず、

 

ワインにとても良く合います。

 

今回は熟成が約40年でも蔵出しは、

 

まだ若く、でも料理に寄り添って楽しめることを

 

一同で確認できました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

クリアスペース
2024年7月3日(水)

今夜は’64と’75の差し入れを頂いたので、

 

脇を固める同じ作り手の’80sメルシエと

 

’70sのヴーヴクリコ、

 

そして太刀持ちはドカステラーヌ’90sで

 

シャンパーニュの夕べを開催しました。

始めのカステラーヌはNVながらも

 

伸びのある味わいで抵抗なく

 

どんどん飲める魅力をアピールします。

 

次のメルシエはすでに全開で「甘い~」と

 

始めて参加された方も目を白黒させて

 

驚嘆されていました。

 

「でももっとすごい世界があるんです」と

 

70年代のヴーヴクリコに誘います。

 

NVでもこの時代は表情が豊かで

 

とても楽しめますが、

 

ロイヤルウェディングキュヴェには

 

道を譲る感じです。

 

実際にこのキュヴェではない

 

ポールロジェがウェディングに使われたらしいのですが、

 

ヴーヴクリコの心意気を感じられる味わいでした。

 

トリを務めたキュヴェドランペルールは

 

ロゼと見紛うばかりの色合いで

 

ラベルのブランドブランを確認しても

 

ロゼの気分で楽しめ、

 

この辺になると飲むときに泡の抵抗もなく

 

もちろんつまみとの相性は最高です。

オードブルは左上から

 

レタスとトマトサラダでドレッシングは

 

20年熟成シャンパーニュヴィネガーと

 

グレープシーズオイル。

 

右奥 このこ酢(青梅を漬けたシャンパーニュヴィネガー)

 

左手前 ボイルイカと自家製純生明太子(日本酒仕立て)

 

うに玉(塩水ウニを酒と塩で5日間漬け込んだ塩辛と卵焼)

 

あさりキャベツ

 

(キャベツのブレゼをガーリックグレープシーズオイルでマリネ、

 

酒蒸北海あさり1k25粒サイズをトッピング)

 

寿司左から

 

平スズキ5k物(山口産)、天然かんぱち1.2K物(宮城産)

 

生甘えび(山形産)沖詰め特大、さより閂(かんぬき)120g(宮城産)

アワビ、ホタテ、えびのブールブランソース

 

山形産天然あわび350g、

 

赤玉ホタテ(1000個に一個の珍しいもので、

 

普通の物より旨味が3倍以上感じられます)

 

メキシコえび(天然えびの中では1,2を争う味で

 

赤い卵を背負っています)

鶏のオレンジソース

 

バターキャラメルにオレンジとレモンを絞り、

 

ブランデー、はちみつ、コンソメ、そして

 

これにもシャンパーニュヴィネガーが入り

 

ソースが完成します。

 

鶏は白ワイン、ブランデー、オレンジで一晩マリネ、

 

そしてロースト。

 

ルポゼ1時間で完成です。

 

 

今回は初めての方が2名参加されて、

 

美味しい発見に驚ろかれたようでした。

 

ワインについて詳しくなくても、

 

美味しいものを皆と共有できる方なら

 

お一人様でも大歓迎です。

 

気軽にご参加ください。

クリアスペース
2024年5月15日(水)

 

魚の手当て

 

これは安全でより美味しく食べるための作業です。

 

具体的には魚を殺菌冷凍することで、

 

寄生虫や雑菌の食中毒をなくし、

 

生の時より美味しく提供できます。

 

アニサキスなどの寄生虫はー15度以下で

 

24時間以上冷凍することで死滅します。

 

また魚など魚介類には雑菌がいて、

 

扱いが適切でないと増殖し、

 

寄生虫とは別の食中毒を引き起こします。

 

それらを防ぐために速やかに殺菌洗浄し、

 

ー25度のアルコールで急速に冷凍すると、

 

急激な冷却のために身がちじみ、

 

’洗い’の状態で約1分以内で凍ります。

 

この冷凍の状態で運べば無駄がなく

 

生で氷をかけて運ぶと魚の重量の最低でも

 

2倍の氷が必要と言われ、

 

運賃等無駄の削減ができますし、

 

地球の裏側でも

 

超美味しい刺身が食べられます。

 

そうしたら釣り好きのお客様から、

 

「釣りたてより美味しい」とご評価頂きました。

 

この手当て(技術)により、

 

「生より美味しい刺身」をお届けできて、

 

これが「ヴィンテージワイン」に良く合うのです。

 

ワインの手当て

 

1980年以前のワインは常温保存できませんでした。

 

具合的には15度を超えると劣化が始まります。

 

所謂’生もの’なので刺身と同じ温度管理が必要です。

 

つまり昨今のワインのように常温陳列するための、

 

’何か’がされていなかったのです。

 

そして肝心の飲み方ですが、

 

飲む′その時′にコルクを開けてはダメです。

 

40年以上酸素のない還元状態だったものは、

 

デカンタージュなどで急激に酸化させると、

 

味のバランスが崩れてしまい、

 

香りは「古臭く」、

 

味も「美味しくない」のです。

 

抜栓は24時間前で、香りをチェックしながら、

 

良い香りが出るまでデカンタージュをします。

 

簡単に言えば緩やかに’酸化’させることと、

 

温度を赤は20度、白は12度、

 

泡物は10度前後に調整することです。

 

手当てが適切だと素晴らしい熟成香が出て、

 

味も甘みと円やかさが広がります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

クリアスペース

PAGE TOP