甘党なのに「酒飲みの顔」だった父のお蔭で、
我が家にはいつも貰い物の「お酒」がありました。
酒と言えば日本酒に決まっていた時代でしたが、
ウィスキーも認知され始め、ブラックニッカやサントリーオールドに
指定席を譲り始めていました。
中学生の時から恐る恐る味見を始めたものの、まだウィスキーの旨さが分からず、
どこからか見つけ出した「赤玉ポートワイン」でしたが「甘すぎる」
と生意気なことを言っていました。
そんな時、お歳暮の「ドイツワイン」が床の間にひっそり座っていました。
それは缶入りの白かびチーズ(デンマーク産カマンベール)と一緒でした。
「ウィスキーをストレート」でかっこよく飲む自分のはずが、
このほんのり甘いドイツワインと白かびチーズにやられてしまいました。
早速悪友を呼び寄せ、部屋で酒盛りを始めたのはいうまでもありません。
偶然にも、チーズとワインのマリアージュが良かったんですね。
サントリーの山田健さんがとても興味深いことを仰っています。
引用すると
ワイン通が、赤ワインや辛口白ワインの方を珍重したがるのも、故のないことではない。だれもが無条件においしく感じる味よりも、訓練を経た特別な人間だけにしか分からない味のほうが、なんとなく高尚に感じられてしまうのは、人情というものだろうからだ。
あれから40年くらい経ちましたが、今は無理をせず背伸びせず、
美味しいワインは手放しで「旨い」!と言えるようになりました。
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