2014年10月2日(木)

 

甘党なのに「酒飲みの顔」だった父のお蔭で、

我が家にはいつも貰い物の「お酒」がありました。

酒と言えば日本酒に決まっていた時代でしたが、

ウィスキーも認知され始め、ブラックニッカやサントリーオールドに

指定席を譲り始めていました。

中学生の時から恐る恐る味見を始めたものの、まだウィスキーの旨さが分からず、

どこからか見つけ出した「赤玉ポートワイン」でしたが「甘すぎる」

と生意気なことを言っていました。

そんな時、お歳暮の「ドイツワイン」が床の間にひっそり座っていました。

それは缶入りの白かびチーズ(デンマーク産カマンベール)と一緒でした。

「ウィスキーをストレート」でかっこよく飲む自分のはずが、

このほんのり甘いドイツワインと白かびチーズにやられてしまいました。

早速悪友を呼び寄せ、部屋で酒盛りを始めたのはいうまでもありません。

偶然にも、チーズとワインのマリアージュが良かったんですね。
サントリーの山田健さんがとても興味深いことを仰っています。

 

引用すると

ワイン通が、赤ワインや辛口白ワインの方を珍重したがるのも、故のないことではない。だれもが無条件においしく感じる味よりも、訓練を経た特別な人間だけにしか分からない味のほうが、なんとなく高尚に感じられてしまうのは、人情というものだろうからだ。

 

あれから40年くらい経ちましたが、今は無理をせず背伸びせず、

美味しいワインは手放しで「旨い」!と言えるようになりました。

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