2015年4月28日(火)

 

自分の生まれ年がはずれ年だと言われるとがっかりして、プレゼントされても

「どうせ不味いんだろう」と思って飲むのをためらってしまいがちですね。

でも違うんです。はずれ年は生産量が少なかっただけで、

物によっては超お買い得で美味しかったりします。

チェックポイントは液面でラベルではありません。しかしほとんどの人が

飲む前にラベルの汚損が気になり、美味しい出会いをみすみす逃しています。

ワインの液面で探せば、美味しく飲めるものがまだ世の中にはあります。

写真左から1960年シャトーデュクリュボカイユ、1965年アロースコルトン,

1968年ミュスカ、1968年ヴァルヴェルデ。

 

 

このはずれ年1963年シャトーラミッションオーブリオンは最高に旨いのですが、

とにかく探しても売っておらず、見つけたら即買うこと!

このレベルでは最高にお買い得のワインです。

 

 

次は1954年ムートンカデとデュクリュラヴェズ。

60年以上経っているので、普通は左のボトルのようにラベルの汚損は当然です。

でも右のワインのように、奇跡的にラベルを含め美品に出会うことがあります。

運命の人に出会うように。

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2015年4月27日(月)

 

日本は不思議な国で、円熟味を増して飲み頃になったワインを楽しむのではなく、

若く、まだ飲み頃でない、幼稚園児のようなワインを好む傾向があります。

出来立て、フレッシュな新酒、世界で一番新酒が早く飲める国、など

これらの言葉が独り歩きして、イメージだけで良いと思われるからでしょうね。

今日は天気に恵まれずぶどうの生育が悪かった「はずれ年ワイン」のお話です。

はずれ年だから不味いのではなく、生産量が少なかったために評価されないだけです。

写真のワイナリーは、はずれ年でも熱心にワインを造り、逆に言うと、

はずれ年を狙った方が安くて美味しいワインに巡り合えるかもしれません。

1960年代ワインのはずれ年は1960、1963、1965、1967、1968。

現在と違って、化学肥料を使わず、収量制限も厳しく、結論として

今よりも十分に美味しいワインがゴロゴロあります。

保管料が1年で1本¥500として、約50年で¥25000、これを上乗せしても

十分に余りある「感動の味わい」です。

皆さん血眼になって探されていますが、なかなか見つからないようです。

普通の酒屋さんでも、はずれ年となれば積極的に売りたくないですよね。

でも金のわらじを履いて探せば簡単に見つけられて、はずれと思われていた

1967年のソーテルヌとローヌは実は当たり年だったりして、割安で味わえます。

ちなみに、当たり年の写真左端は¥500000、3番目は¥250000くらい。

金のわらじを履いて探すのはこのサイトからどうぞ。http://www.uogin.com

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2015年4月13日(月)

 

時の権力者が、金に糸目をつけずに造らせたワインは本当に美味い。

ロシアの皇帝が国がひっくり返るほど贅沢をして、そのお手伝いをした

ルイロデレール(2番目透明のボトル)。

やはりロシアで稼せぎ「国中をシャンパーニュで水浸しにしてしまう」と

文豪プーシキンに言わしめた「ヴーヴクリコ」。更にそれだけでなく

エリザベス2世戴冠25周年記念ボトルまで造りました(右端)。

そして世界一のシャンパーニュメーカー「モエエシャンドン」は、

3代目があの皇帝ナポレオンの同級生で、その縁で敷地内にホテルを作り、ベ

ルサイユ宮殿の庭のコピーまで作ってもてなしたようです。

時代が下り、ポールロジェはイギリスのチャーチル首相のお気に入りで、

自分の競走馬に「ポールロジェ」と名付けたほど熱の入れようでした。

経済的な大きな支えがあり、更に今よりも生産量が6/1以下のヴィンテージ物は

見つけたら飲まないわけにはいきませんね.

 

 

4月11日のワイン会では、上の写真に入りきらなかった1本を含め、

全部で7本飲みました。

最初は一番若い1985年のフィリポナでスタート。

シャルドネ100%の鋭い酸味は丸く穏やかになり、「ぐーっと飲める」のど越しです。

 

 

次は、普通ならトリを務めるはずのクリスタルの登場です。

これも30年以上経てなめらかな味わいになっていて、居並ぶ横綱の中にいても

腰の強さと余韻の長さでは光るものがあります。

 

 

3本目はラベルが破れていて、飲むまでは確認できませんでしたが、

モエのロゼでした。一同、モエがこんなに美味しいと思わなかったというほど、

このころの造りは違っていました。モエを買うなら70年代の物にすると、

各上の若い「ドンペリニョン」より美味しく飲めると思います。

次はアメリカ輸出で大きくなった「マム」の1973年ロゼです。

外れ年と言われていますが、このころまでは規制が緩く、ヴァンドレゼルブを

ヴィンテージワインにもブレンドしており、ラベルは草臥れていますが、

味はまろやかで甘みもありとても飲みやすいロゼです。

5本目がエリザベス2世戴冠25周年記念ボトルです。

明らかに使っている原酒の違いが分かり、泡立ちもまだ力強い。

余韻も長く、かすかな酸味も残っていてあと10年は楽しめそうです。

6本目ドヴノージュから味の景色が変わり、いい意味で熟成した別のシャンパーニュ

でした。泡は消え、マディラやオロロソを思わせる熟成香と酸味。

黙って出されたら「シャンパーニュ」と分かる人はいないでしょう。でも美味い!

最後はチャーチルの愛したポールロジェ1964年。

これも泡が消え、シェリーやポートの味わいになっており、フルーツやチーズケーキに

よく合いました。

 

 

オードブルは人参ドレッシングのサラダ、あわびそば、うに玉、まぐろハム

 

 

ワインには普通合わせない「鶏のピリ辛炒め四川風」

 

 

お寿司はインドまぐろ漬け、うに塩辛、平目昆布締め(写真なし)

 

 

カラフルなミュズレが時代を感じさせます。

キャップシールも年代が遡るほど重くなります。

11名でワクワクドキドキの3時間30分でした。

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