2020年8月24日(月)

メルローが熟成するとピノノワールに

 

似てくると、言われているが、実際に

 

40年50年と確認している人は少なく、

 

そのレポートを聞くこともあまりない。

 

それで今回敢えて横綱、大関クラスを

 

並べて確認することにした。

 

初めて参加のお二人に合わせて生まれ年の

 

’78レヴァンジルから始める。

 

まだ伸びしろを感じる茎の青臭い若さが

 

少し残っているものの、十分に美味い。

 

次の’76ドザルは昼の時点ではよかったが、

 

本番ではまた眠っていたようで、酸素吸入で

 

生き返り、つまみと合わせると中々の物。

 

そして、評価が低い横綱の’70オゾンヌ。

 

1983年頃の教科書によれば、

 

当時樹齢100年を超すものがまだあり、

 

このワインにもブレンドされていたらしい。

 

それを聞かずとも力強さ、表現力は圧倒的で

 

他の追随を許さない。

 

そして’64マグダレーヌ。

 

力強さ、奥深さでは2,3歩譲るとしても

 

妖艶なしなやかさ、そして包み込むような説得力、

 

更に人生を熟考に導く力は、

 

この後に続く’64ラコンセイヤントと同じで素晴らしい。

 

ピノノワールが恋人の手を握りながらが相応しいとすれば、

 

こちらは一人になって人生を考える時に、

 

優しく寄り添ってくれる。

 

最後の’64ラコンセイヤントは、

 

マグダレーヌに似ていたが、

 

包み込んでくれる包容力のスケールが

 

より広く心地良い。

 

そしてそのしなやかさは料理によりそい

 

最高のマリアージュを教えてくれた。

 

ラベルがほぼ無かったので入手できたが、

 

そうでなければ今回は登場できなかったので、

 

参加された皆さんはとてもラッキーだったと思う。

寿司は沖縄産本マグロ赤身、ヅケ、皮トロ炙り、うに塩辛

岩ガキは異常気象で日本海側の物の生育が

 

好ましくなかったので、大分産を仕入れ、

 

ワインとイチゴで一晩マリネしてブレゼした物。

 

フランス産のいちごも混ぜたのでカベルネフランの香りに

 

とても良いマリアージュ。

そして旨味の塊のきのこ汁。

 

これは4種類の(栽培ものではあるが)きのこに豚肉、

 

かつお節、昆布、醤油が2種類等ブレンドしたもので、

 

煮詰めていくとすごいソースになる。

 

これを啜りながらのワイン達との交流は

 

素晴しいものだった。

 

メルローが熟成するとピノノワールに似てくるのは

 

確認できたが、それは雰囲気だけで

 

本質的なもの、また酔い心地は大分違った。

 

しかし財布が許すならば、

 

時々これで喉を潤したくなる銘酒だと言える。

 

このブログのせいで値上がりすることは

 

ないので、ご安心を。

 

 

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2020年7月20日(月)

今回で5回目のRドリューセック。

 

このソーテルヌのセカンド(辛口)は

 

とても素晴らしい出来で、

 

いろんな料理によく合い、そして

 

(これが素晴らしいところだが)

 

‛じゃましない’。

 

次に開けたサヴニエールは

 

味は素晴らしいのだが、

 

香の華やかさで一歩下がる。

 

ただ、エビと水菜の煮びたしや

 

平目のヴァンブランソースが出てくると

 

突然化ける。

 

 

写真のように垢抜けしないおじさんが

 

(このワインを造った人)

 

差し出してくれた一杯が

 

山の清水のように心を潤す。

 

最後のシャトーヌフデュパプは、

 

個人的にはお気に入りだが

 

飲み手に色々と考えさせてしまうところがあり、

 

あまり経験のない方(特に女性には)

 

人気がなかったが、おばかなおつまみの

 

’バンザイ山椒’やチーズ、もちろん

 

平目のヴァンブランソースにも

 

よく合ったのだが

 

前の2本が出来過ぎで霞んでしまった。

 

このワインはカレーライスにも良く合うので、

 

次回は試してみようと心に誓ってしまった、

 

そんな素敵な勉強会だった。

 

つまみの写真は全て撮り忘れ,

 

寂しく一人で反省会2時間。

 

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2020年6月25日(木)

今宵は我が家のハウスシャンパーニュ、

 

アンリグトルブで開始。

 

はちみつの甘さと酸味のバランスが

 

その辺では飲めないレベル。

 

もちろん

 

蔵出し空輸だけでなく、

 

ヨーロッパ仕様の味だから

 

皆が知らなくても当然だ。

 

EU域内に出す時と

 

アジアやアメリカに出す時では

 

出荷先の好みに合わせて味を調整する。

 

もちろん‛ガス圧’も。

 

だから無理に造られた味ではないので

 

驚きが大きい。

 

 

何度か開けているサンヴィヴァンだが、

 

他のグランヴァンにない雰囲気。それは、

 

50年を過ぎてもスキップする少女ような軽やかさ、

 

味と香りが同時に跳ねる余韻。

 

決して重くならず、

 

モーツアルトを聴いている心地よさ。

 

「飲み物、それもワインごときでそんなものあるはずない」と、

 

これを信じない人は、一生‛口福’にあずかれないだろう。

 

今宵の口開けは悩んだ末に1ERボーモンから。

 

これが前座だと言ったら叱られてしまうが、

 

トリがDRCで露払いがノエラとくれば

 

役不足ではないはずで、

 

立派に前座をこなし、

 

次のドルーアンへ。

 

実はこのワインは2本目で、

 

最初のはワインの神様に捧げてしまった。

 

(そう、割ってしまった)

 

急遽開けたのでまだ本領発揮できず、

 

酸素吸入の助けが要った、が

 

終盤は両巨頭に負けない迫力を魅せ、

 

名門の底力ここにありと言ったところ。

 

で、次のレオンヴィオランは知名度低いネゴシアン。

 

でも日本だけの話で、

 

トリを飲まないで、

 

これだけで朝まで飲みたいと、

 

思わせる70年代の至宝といっても

 

大袈裟ではないと思う。

つまみはサラダにマイクロトマト、

 

このトマトがピノノワールと同じで

 

小さいけど表現力がある。つまり

 

大きいトマトを丸かじりしても

 

この小さいトマトの方が味が強い。

 

右隣はいちご牛たん、手前左はツブポン酢

 

アニヨーフユメ、カリフラワーバジルソース。

グランクリュの時は必ず出る、

 

カナールロテイフランボワーズソース

 

ポテトピュレ。

これもいつも出る、天然本マグロヅケ、

 

平目昆布締め、イサキ(もちろん天然)。

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