その後気が付くと修行に行くことが決まってしまった。
大変お世話になった修行先、荻窪の東進水産は当時、
売り場面積当たりの売り上げ日本一という超繁盛店で、
常にその日仕入れて売り切る、を徹底していたので
新鮮なものしかないと断言できる店だった。
そこで先輩が用意してくれた刺身を食べて、
生まれて初めて「美味しい」と思った。
なぜ食べられたか分析してみると、
一番は鮮度で、できるだけ早く下処理しないと雑菌が増えて、
‛臭くなる’。でも手放しで食べられるようになったわけではなく、
特にまぐろ類は独特の臭みを常に感じ続けていて、
周りからは「戌年で鼻が利くから?」と冷やかされていたが
もう一つの原因は‛寄生虫’だった。
特にまぐろやかつおに多い寄生虫、
詳しくは粘液胞子虫類|「食品衛生の窓」東京都福祉保健局 (tokyo.lg.jp)
敵の正体が分かれば簡単で、それを除去するだけで
まぐろだけでなく‛臭み’の強い魚も美味しく食べれれる。
これは八角という北の魚で全身大トロで旨い、が
鎧のようなでこぼこした皮に臭みがあり、
皮を取って殺菌すると臭いが消える。
この殺菌は’紫外線’で行い、
特有の臭い(個性)と思っていた原因がなくなり
安心して食べられるようになった。
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