2016年6月25日(土)
料理とデザートの境目

和食は結構多めに糖分を使うので、

 

あまり食後に甘いものが欲しくならないはずだった。

 

 

しかし最近は料理の組み立てが変わり、

 

和食特有の弱強弱強の繰り返しではなく、

 

砂糖を加減して食後のデザートを楽しめるようになってきた。

 

しかし、どこにでも解釈の違う店は必ず存在し、

 

写真の「うにプリン」はある店のスペシャリテで、

 

コースの3番目、刺身の次に出る。

 

カラメルソースの代わりの餡はソースに負けないほど甘く、

 

早くもデザートがでてきたようだ。

 

これに合わせる酒は日本酒では料理の良さを引き出せないし、

 

酒も楽しめない。

 

では、何を合わせるか?

 

そんな時はデザートワインの出番だ。

 

 

不思議なもので、日本酒より糖質が3~4倍もあるのに、

 

隠れた酸味と質感の違いで、

 

料理の材料と組み合わせが舌の上にきちんと並ぶのが分かる。

 

つまり、普段あまり気にすることのない出汁の味や、

 

卵の香り、うにの余韻、

 

そしてそれらをまとめる甘みと生クリームなどが

 

ワインを飲んだ途端に、

 

霧が晴れたように姿を現す。

 

「日本に長く暮らしていると、国籍に関係なく日本人になる」と

 

邱永漢さんがおっしゃった通り、

 

例外はあるとは思うが

 

甘みが強い料理でも出汁が入っていればデザートと区別がつくようになる。

 

これは圧巻なことだろう。

« »

PAGE TOP