今月もコロナの影響で勉強会形式で少人数で開催でした。
今回開催のきっかけの一つが、
有名なワイン愛好家の方が15年前に書いた本の中で
「私は、15年を越えるような長い熟成を経て、
複雑で官能的な香りをたたえる赤ワインを愛してやみません。
そのため、自宅には2000本を超える赤ワインを
ストックしているのですが、実際に熟成によってこうした
高みにまで達するワインは、残念ながらその一割にも満たない
ように感じています。」と書いています。
またもう一つが、今回初めて参加の方で
「ワイン、特に白ワインは瓶で熟成しない」という方がいて、
こちらはそうは思わないので、宣戦布告か?と思いました。
その偏見をひっくり返してやろうと
今回のお題は「白ワインとチーズのマリアージュ」。
本当はプロの方に参加頂く内容ですが...
(こちらの知名度が無いので手を上げる方がいらっしゃらないので)
カマンベールより優しいクロミエ、コンテ12か月等、
キッシュ、チーズケーキでドミセックのシャンパーニュまで
どのくらいの相性か、じっくり確認しました。
白ワインの瓶熟に異論を唱えた方も、
シャルトロンのピュリニーモンラシェには
贖い切らなかったと見えて、
しぶしぶ白旗をあげられました。
シャルトロンの年違い、畑違いは勉強不足の主催者も
大変勉強になりました。
ただのACピュリニーモンラシェは残念ながら凡庸ですが、
畑の名前が入り、当たり年になると別人になります。
今回も’86の方が早く熟成が訪れ、意外なほどに纏り、
一つ年上の’85はまだ掴み所が無いほどのスケール感で
あと10年後が楽しみなほどで、
グラスに50cc位注いでも入りきれないほどの表現力は
驚愕に値しました。
日本でシャルトロンに注目している人が非常に少ないので、
逆に知名度が低く、「誰それ?」となっているのが
悔しく思います。
一流を評価できる人がいないと流通しないので。
そんなこんなでマリアージュを楽しんでいると、
コンテの懐の深さ、包容力等を感じ、
また人によってはクロミエがぼんやりしていない、
と気づいたと思います。
またドミセックがどの位甘いか、円やかか。
今のシャンパーニュはブリュットが主流なので、
まだ寒くて十分に糖度が上がらなかった頃のベースに、
甘みを添加した時の具合、そしてそれが30年近く熟成すると
どう変化するのか。
掘り下げていくと一晩でも終わらないのですが、
それでも3時間近く学び、後ろ髪を引かれつつ
中締めになり、このテーマでまた開催を誓いました。
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