2023年4月3日(月)

我が家のワイン会を一言でいえば、

 

❛ワイン難民救済会❜。

 

今まで参加された方々が口にするのは、

 

「今までこんな美味しいワインに合ったことがない」と。

 

何故そうなるか理由を挙げてみると

 

1)ワインはすべて空輸物(鮮度が違う)

 

2)1980年代以前のワイン(伸びしろのあるワイン)

 

3)グラスをワインに合わせて選ぶ(ロブマイヤー)

 

4)前日抜栓する(ゆっくり酸化させる)

 

5)6時間前にデカンタージュし試飲する(味の開きを確認)

 

先日ワインスクールに通って十分勉強したという

 

マダムがいらした。

 

曰く「勉強したのにどのワインが美味しいかわからない」。

 

また別のマダムは

 

「当たり年のワインを買うんですよ!」と

 

酒屋さん主催のワインスクールで教わったが、

 

結果は美味しいワインに合えずに

 

何年も過ぎてしまい、飲める量も減り寂しいと。

 

見合いの釣書のように、

 

ワインの経歴を覚えても美味しいものに

 

出会えるとは限らない。

 

ワインが作られた経緯を知っていれば

 

少しは気分的に上がるが、

 

40年以上前のワインは上記の5項目を

 

満たさないと美味しく花開いてくれない。

 

それともう一つ、

 

農薬や今使われている添加物、フィルター等がなく、

 

1980年代以前はすべて自然派ワインだという事実。

 

これは誰も言わない大人の事情。

 

それは「酔い心地が良く悪酔いしない」

 

ということでもある。

 

あるマダムが初めて参加した時、

 

「レストランでワインを飲むと次の日頭痛くて大変」。

 

だから、

 

「そうならないとあなたが行ったから参加したのよ!」。

 

結果は大満足で

 

「頭痛くならなくて目覚め爽やかで、昨日の余韻がお昼まで続いた」。

 

もちろんレギュラーメンバーになられました。

 

40代男性は、

 

「ワインを飲むと必ず吐くんですよ」。

 

トイレの場所も教えて、

 

どうなるか恐る恐る注いでみると、

 

「うめえー」を連発し何度もお変わりして、

 

その後3回以上参加されました。

調理する時に適切な材料を選び、

 

下処理等準備を十分にしてから調理し、

 

必ず味見をするのが常識だが、

 

ワインに関しては味見もしないのが普通らしい。

 

それから言えば我が家は「変態」かもしれないが、

 

難民の方達を必ず助け出し、

 

天国の扉の近くに(大げさ( ´艸`)

 

お連れできると信じている。

この天国の扉の鍵を持つペテロのように。

 

 

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2023年3月30日(木)

 

今回は人数が増えたので珍しいものを1本追加しました。

 

高くて有名なものほど手に入れやすく、

 

右から2番目のようなものは見つけづらく、

 

ラベルこそ草臥れていても液面の高さ、

 

色合い含めたコンデイションの良いものは稀。

 

その珍しいものは他のものよりも格下でも、

 

味は繊細なシャンボルミュジニの様で、

 

この選択でよかったようだ。

 

次の’85ヴォルネは蔵出しで鮮度抜群、

 

いつものように前日抜栓、

 

6時間前のダブルデカンタージュでも

 

まだ起きてくれなかった。

 

この2番目で「美味い!」の声が聞ける予定が、

 

残念だったが’76から本番開始。

 

いつもの我が家のワイン会の味わいが出て、

 

一同このあたりから和み始め、

 

’72ポマールエプノの美味しさで顔を見合わせる。

 

もう1本の’72ヴォルネは力強く、

 

素晴らしい表現力で一番人気だった。

 

トリの’66は味わいは良いが、

 

マデイラ香が出て皆これが気になって、

 

肝心の味わいに気が回らなかったようだ。

 

そしてオードブルを食べながらのマリアージュ。

左上から 人参ローストほたてリエットのせ、あさりキャベツ、ツナリエット

 

ごぼうとまぐろハム胡麻和え、トマトマリネ、いちご牛たん

 

今回はいちご牛たんのソースをロゼワインで仕上げてみたところ、

 

「美味しい!」と評価を頂きました。

 

また人参はオーブンで1時間丸焼きにしたので、

 

驚くほど甘みが出て、

 

あさりキャベツの甘みと重なり、

 

どのワインとも楽しめたようです。

寿司は左から インドまぐろヅケ、かんぱち、甘えび、あいなめ、かつおヅケ

 

日本に住んでいるとジビエよりも

 

鉄分の多いまぐろやかつおに馴染みがあり、

 

こちらの方が楽しめる人も多いはず。

メインの鴨のローストフランボワーズソース、ポテトピュレ

 

鴨を一晩ワインとフランボワーズにマリネしているので、

 

とても好評で寿司とのマリアージュよりも

 

正統派?と感じられたかもしれません。

 

 

次回はシャンパーニュのド カステラーヌ尽くしを

 

5月に予定しています。

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2022年12月20日(火)

我が家のワイン会では毎回寿司は出していますが、

 

今回のようにほぼ寿司だけの会は年に一度です。

 

なぜかと言えば、「寿司にワインは合わない」と

 

頑なに信じている人がいるからで、

 

そういう方は寿司とオールドヴィンテージワインの

 

マリアージュの体験をされたことが無いようです。

 

初めて参加される方は大抵そのようで、

 

今回初めてのお二人のマダムは興味津津の様子。

 

まずお出しするワインは1か月以上立てて休ませ、

 

24時間前に抜栓し、すぐに替え栓をします。

 

40年以上経ったコルクは写真のように

 

一部の例外(リコルク)を除き壊れてしまいます。

 

抜栓時にボトルに入った酸素が

 

ゆっくり時間をかけて

 

眠っていたワインを起こします。

 

出来れば温度も管理して、

 

赤ワインなら20~22度、

 

白ワインなら10度前後に調整すると

 

味に深みが出ます。

 

今回は人数が増えたので

 

90年代のカステラーヌを追加です。

 

50年代より生産量が倍以上になったとはいえ、

 

現在の流通しているものに比べれば

 

味の濃さは数段上で、

 

オードブルのサラダ、

 

塩味で食べる‛生甘海老’とのマリアージュに

 

レギュラーメンバーの方も驚かれたようです。

グレープシーズオイルでマリネした

 

タコカルパチョでドカステラーヌは終わり、

 

’89フェヴレに移りました。

 

以前これを開けた時

 

「これがデイリーワインだと良いな」と

 

おっしゃった方がいらして、

 

他のメンバーも無言でうなずいていました。

 

今回も一同、しなやかさに納得されたようで、

 

北のご馳走のほっけ、ニシン、花咲ガニと

 

絶妙のマリアージュ。

 

何れも冷却調理(殺菌冷凍)しているので、

 

味の濁りが無く‛ほっけ’の泥臭さも皆無で、

 

脂ののった味は‛あいなめ’以上かもしれません。

 

20年以上熟成の

 

シャンパーニュヴィネガーで〆たニシンも、

 

薄皮を剥いているのでクリアな味に仕上がり、

 

花咲ガニはレモン塩でマリネしてから

 

寿司にしたので、

 

液面が低かった’59リシュブールの保険で追加した

 

’85リシュブールとドンピシャ。

 

「これだけはひとりで1本飲める」と

 

初めてのマダムからもご評価頂きました。

次のにぎりは、酒蒸しタコ、生甘海老、花咲ガニ、

 

本マグロ皮トロ炙り、

 

赤貝(閖上産)、かつおヅケ。

 

’76レスショは甘く纏ってしなやかさが際立ち、

 

どの握りとも寄り添い、

 

リコルクの’66は再熟成30年?と思われ、

 

最後まで落ちることなく

 

美魔女のような妖しさを漂わせ、

 

’59リシュブールにバトンタッチ。

 

トリの’59はコンディションが今一でしたが、

 

6時間前のダブルデカンタージュで何とか開いて、

 

今までの5本とは別世界を見せてくれました。

3番目のインドマグロヅケ、天然本マグロトロ、

 

うに塩辛卵焼。

 

酢飯が甘酸っぱく、

 

ワインも甘酸っぱいので合わないわけがない、

 

といつも言っていますが、

 

レギュラーメンバーの方達も

 

寿司とヴィンテージワインのマリアージュを

 

再確認されたようです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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