2015年4月13日(月)

 

時の権力者が、金に糸目をつけずに造らせたワインは本当に美味い。

ロシアの皇帝が国がひっくり返るほど贅沢をして、そのお手伝いをした

ルイロデレール(2番目透明のボトル)。

やはりロシアで稼せぎ「国中をシャンパーニュで水浸しにしてしまう」と

文豪プーシキンに言わしめた「ヴーヴクリコ」。更にそれだけでなく

エリザベス2世戴冠25周年記念ボトルまで造りました(右端)。

そして世界一のシャンパーニュメーカー「モエエシャンドン」は、

3代目があの皇帝ナポレオンの同級生で、その縁で敷地内にホテルを作り、ベ

ルサイユ宮殿の庭のコピーまで作ってもてなしたようです。

時代が下り、ポールロジェはイギリスのチャーチル首相のお気に入りで、

自分の競走馬に「ポールロジェ」と名付けたほど熱の入れようでした。

経済的な大きな支えがあり、更に今よりも生産量が6/1以下のヴィンテージ物は

見つけたら飲まないわけにはいきませんね.

 

 

4月11日のワイン会では、上の写真に入りきらなかった1本を含め、

全部で7本飲みました。

最初は一番若い1985年のフィリポナでスタート。

シャルドネ100%の鋭い酸味は丸く穏やかになり、「ぐーっと飲める」のど越しです。

 

 

次は、普通ならトリを務めるはずのクリスタルの登場です。

これも30年以上経てなめらかな味わいになっていて、居並ぶ横綱の中にいても

腰の強さと余韻の長さでは光るものがあります。

 

 

3本目はラベルが破れていて、飲むまでは確認できませんでしたが、

モエのロゼでした。一同、モエがこんなに美味しいと思わなかったというほど、

このころの造りは違っていました。モエを買うなら70年代の物にすると、

各上の若い「ドンペリニョン」より美味しく飲めると思います。

次はアメリカ輸出で大きくなった「マム」の1973年ロゼです。

外れ年と言われていますが、このころまでは規制が緩く、ヴァンドレゼルブを

ヴィンテージワインにもブレンドしており、ラベルは草臥れていますが、

味はまろやかで甘みもありとても飲みやすいロゼです。

5本目がエリザベス2世戴冠25周年記念ボトルです。

明らかに使っている原酒の違いが分かり、泡立ちもまだ力強い。

余韻も長く、かすかな酸味も残っていてあと10年は楽しめそうです。

6本目ドヴノージュから味の景色が変わり、いい意味で熟成した別のシャンパーニュ

でした。泡は消え、マディラやオロロソを思わせる熟成香と酸味。

黙って出されたら「シャンパーニュ」と分かる人はいないでしょう。でも美味い!

最後はチャーチルの愛したポールロジェ1964年。

これも泡が消え、シェリーやポートの味わいになっており、フルーツやチーズケーキに

よく合いました。

 

 

オードブルは人参ドレッシングのサラダ、あわびそば、うに玉、まぐろハム

 

 

ワインには普通合わせない「鶏のピリ辛炒め四川風」

 

 

お寿司はインドまぐろ漬け、うに塩辛、平目昆布締め(写真なし)

 

 

カラフルなミュズレが時代を感じさせます。

キャップシールも年代が遡るほど重くなります。

11名でワクワクドキドキの3時間30分でした。

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2015年4月6日(月)

 

1977年のエリザベス2世の戴冠25周年記念のシャンパーニュです。

1952年の即位の時から、この戴冠式は既に準備されていたようです。

http://news.bbc.co.uk/2/hi/uk_news/politics/1959535.stm
王室ご用達のシャンパーニュメーカーは8社あるらしく、これ以外にも

モエエシャンドンの記念ボトル(1973年製)を見たことがあります。

何れも1970年代前半の物でしょうから、見つけたら即「買い」ですね。

4月11日のワイン会では、これに合わせて「コロネーションサラダ」ではなく、

同じ鶏を使った四川風鶏のピリ辛料理(辛い味は邪道かもしれませんが)を

準備しています。これは、甘い、辛い、酸っぱい、そして旨味を兼ね備えたもので、とても良く合うと思います。

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2015年3月28日(土)

 

ノーベル賞のパーティーでは、300本のシャンパーニュが1100人のゲストに

出されます。今までどんな銘柄の物が出されたのかとても興味が湧きますね。

熟成が進み今が飲み頃で、でも消えつつある1985年以前の掘り出し物があれば

すぐにでも手に入れたくなります。

この本は10年前に書かれたものですが、ノーベル賞初年度1901年~2003年までの

銘柄が網羅され、著者がどうしてシャンパーニュに魅せられたのか、

また主なメーカーの種類別評価など、マニアでなくとも知りたい事が書かれています。

今まで一番出された回数の多いのは、モエエシャンドン15回、次にポメリー14回そして

皆の記憶から消えてた(かもしれない?)シャルルエイドシックなどページをめくるたびに

宝箱を覗き込むような興奮に包まれます。

もちろんこの中に来月のワイン会で飲まれる物は全て乗っており、今からとても楽しみで、

合わせる料理の打合せをしながらワクワクしています。
明日は日曜日、シャンパーニュブレクファーストでも決め込んで朝から飲もうかな。

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