2015年5月15日(金)

 

この1968年のワインを飲む時に、グラスの選択を間違えると不味くて飲めません。

注ぐ量が同じ、温度も同じ、つまみも同じでもグラスが左のボルドータイプだと、

酸っぱくて「もうこれダメだ。お酢になっていた」という事になってしまいます。

でも右のブルゴーニュタイプだと、うっとりするマスカットの甘い香りと切れの良い

スッキリした酸味で、サラダや酢の物、フライドチキンにレモンをぎゅっと絞ったもの

に抜群に合います。まだ生きているのに、「あなたは死んでいる」と言っているよう

なものです。

いくら1968年がはずれ年でも、「こんなに味が違うのはおかしい」

と思うかもしれませんが、ちょっとした違いで、全然別のワインになってしまいます。

たとえばサッカーをするのに、スケートを履いてうまくできないように、

用途に応じて道具は変えなくてはいけないのは子供でも分かりますね。

でも悲しい事に、ワインに関してあまり重要視されていません。

一般的なワインを美味しく飲むルールとして、ワインの原料ブドウの種類が1種類なら

ブルゴーニュタイプ、複数ならボルドータイプで合わせると美味しく飲めます。

もちろん例外もありますので、両方で試してみると良いですね。もちろん注ぐ量は

グラス全体の2割、余白を8割残すと、香の広がりがよく分かって美味しく飲めます。

これから死人を沢山出さないためにも、くれぐれもグラスの選択は間違えないように。

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2015年4月28日(火)

 

自分の生まれ年がはずれ年だと言われるとがっかりして、プレゼントされても

「どうせ不味いんだろう」と思って飲むのをためらってしまいがちですね。

でも違うんです。はずれ年は生産量が少なかっただけで、

物によっては超お買い得で美味しかったりします。

チェックポイントは液面でラベルではありません。しかしほとんどの人が

飲む前にラベルの汚損が気になり、美味しい出会いをみすみす逃しています。

ワインの液面で探せば、美味しく飲めるものがまだ世の中にはあります。

写真左から1960年シャトーデュクリュボカイユ、1965年アロースコルトン,

1968年ミュスカ、1968年ヴァルヴェルデ。

 

 

このはずれ年1963年シャトーラミッションオーブリオンは最高に旨いのですが、

とにかく探しても売っておらず、見つけたら即買うこと!

このレベルでは最高にお買い得のワインです。

 

 

次は1954年ムートンカデとデュクリュラヴェズ。

60年以上経っているので、普通は左のボトルのようにラベルの汚損は当然です。

でも右のワインのように、奇跡的にラベルを含め美品に出会うことがあります。

運命の人に出会うように。

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2015年4月27日(月)

 

日本は不思議な国で、円熟味を増して飲み頃になったワインを楽しむのではなく、

若く、まだ飲み頃でない、幼稚園児のようなワインを好む傾向があります。

出来立て、フレッシュな新酒、世界で一番新酒が早く飲める国、など

これらの言葉が独り歩きして、イメージだけで良いと思われるからでしょうね。

今日は天気に恵まれずぶどうの生育が悪かった「はずれ年ワイン」のお話です。

はずれ年だから不味いのではなく、生産量が少なかったために評価されないだけです。

写真のワイナリーは、はずれ年でも熱心にワインを造り、逆に言うと、

はずれ年を狙った方が安くて美味しいワインに巡り合えるかもしれません。

1960年代ワインのはずれ年は1960、1963、1965、1967、1968。

現在と違って、化学肥料を使わず、収量制限も厳しく、結論として

今よりも十分に美味しいワインがゴロゴロあります。

保管料が1年で1本¥500として、約50年で¥25000、これを上乗せしても

十分に余りある「感動の味わい」です。

皆さん血眼になって探されていますが、なかなか見つからないようです。

普通の酒屋さんでも、はずれ年となれば積極的に売りたくないですよね。

でも金のわらじを履いて探せば簡単に見つけられて、はずれと思われていた

1967年のソーテルヌとローヌは実は当たり年だったりして、割安で味わえます。

ちなみに、当たり年の写真左端は¥500000、3番目は¥250000くらい。

金のわらじを履いて探すのはこのサイトからどうぞ。http://www.uogin.com

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