2024年5月15日(水)

 

魚の手当て

 

これは安全でより美味しく食べるための作業です。

 

具体的には魚を殺菌冷凍することで、

 

寄生虫や雑菌の食中毒をなくし、

 

生の時より美味しく提供できます。

 

アニサキスなどの寄生虫はー15度以下で

 

24時間以上冷凍することで死滅します。

 

また魚など魚介類には雑菌がいて、

 

扱いが適切でないと増殖し、

 

寄生虫とは別の食中毒を引き起こします。

 

それらを防ぐために速やかに殺菌洗浄し、

 

ー25度のアルコールで急速に冷凍すると、

 

急激な冷却のために身がちじみ、

 

’洗い’の状態で約1分以内で凍ります。

 

この冷凍の状態で運べば無駄がなく

 

生で氷をかけて運ぶと魚の重量の最低でも

 

2倍の氷が必要と言われ、

 

運賃等無駄の削減ができますし、

 

地球の裏側でも

 

超美味しい刺身が食べられます。

 

そうしたら釣り好きのお客様から、

 

「釣りたてより美味しい」とご評価頂きました。

 

この手当て(技術)により、

 

「生より美味しい刺身」をお届けできて、

 

これが「ヴィンテージワイン」に良く合うのです。

 

ワインの手当て

 

1980年以前のワインは常温保存できませんでした。

 

具合的には15度を超えると劣化が始まります。

 

所謂’生もの’なので刺身と同じ温度管理が必要です。

 

つまり昨今のワインのように常温陳列するための、

 

’何か’がされていなかったのです。

 

そして肝心の飲み方ですが、

 

飲む′その時′にコルクを開けてはダメです。

 

40年以上酸素のない還元状態だったものは、

 

デカンタージュなどで急激に酸化させると、

 

味のバランスが崩れてしまい、

 

香りは「古臭く」、

 

味も「美味しくない」のです。

 

抜栓は24時間前で、香りをチェックしながら、

 

良い香りが出るまでデカンタージュをします。

 

簡単に言えば緩やかに’酸化’させることと、

 

温度を赤は20度、白は12度、

 

泡物は10度前後に調整することです。

 

手当てが適切だと素晴らしい熟成香が出て、

 

味も甘みと円やかさが広がります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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2024年4月11日(木)

80年代の佳酒を愛でると題して、

 

とても魅力的なボーヌのサントネを開けました。

 

知名度が低いワインですが、

 

水の妖精とワインの神の故郷と言われる地域で、

 

ジヴリやメルキュレよりも表情が豊かで、

 

vin de bourgogneのサイトによれば

 

煮込み料理に合うようです。

 

肝心の味はとても円やかで、

 

同じピノノワールを使ったヴォーヌロマネが、

 

フルオーケストラだとすると、

 

中編成のオーケストラの様なスケール感です。

 

1987年のシャルルヴィエノはレベルの高い

 

品揃えで有名で、これもその一つ。

 

まだ酸味とタンニンが程よく残り、

 

料理に寄り添ってくるしなやかさが出ています。

 

次の1985年は畑の名前が入っているので、

 

表情の豊かさがぐんと上がり、

 

マリアージュも素晴らしい。

 

1982年は85年より格は落ちますが、

 

3歳年上の熟成の素晴らしさは、

 

これを選んで良かった、と思わせる味。

 

つまみは、ツナリエット、サラダ、

 

牡蠣いちごソース、さごちタタキ、タコ飯

 

何れとも良く寄り添ったマリアージュを

 

楽しめました。

 

 

糖度    ☆☆☆
香り    ☆☆☆☆
酸味    ☆☆
こく    ☆☆☆☆

歴史感   ☆☆☆
酔いごごち ☆☆☆☆
しなやかさ ☆☆☆☆
優しさ   ☆☆☆☆

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2024年1月23日(火)

1月20日はある意味で実験的なワイン会でした。

 

当たり年のクリュグと同じく当たり年のアヤラ、

 

それに2000年代初めの若いカステラーヌ。

 

これらを順番に50mlづつテイスティング。

 

何故このようにするかといえば、

 

うま味成分は重くボトルに沈んでいるので、

 

飲み始めの上部と下部では著しく味が変わります。

 

だから1杯ずつ順番に次いで回るので、

 

最後まで味わいの変化を確認できます。

 

最初の若いカステラーヌは味以前に泡が多く、

 

12度セラーから移して0度で3時間

 

冷やし込んでも冷やし足りません。

 

残念ながら、若いって素晴らしい!ではなく、

 

味わいの薄さを泡で持ち上げている様子。

 

畑の広さは変わらずとも生産量が増えている地域。

 

ということはこのクラスは自ずと味が薄くなるのは

 

当然なことかな?と。

 

オードブルは撮り忘れてしまいましたが、

 

リクエストがあった天然ぶりかま12k物、

 

まぐろハム、サラミ、

 

フォアグラ奈良漬、自家製明太子、サラダ

 

そしてこの写真の天然ぶり刺身です。

 

丸めないと器からはみ出す大きさで、

 

旨味も口に入りきれないほどたっぷりで、

 

脂分をシャンパーニュが洗い流してくれて、

 

皆さんいくらでも食べられそうでした。

あわびと魚介のブールブランソース。

 

えび、帆立、牡蠣が脇を固めます。

 

これは我が家の定番で魚系と良く合う組合わせ。

 

そしてもちろんシャンパーニュとも高相性です。

で次はバターキャラメルにオレンジとレモン、

 

それに20年熟成のシャンパーニュヴィネガーと

 

同じく20年熟成のコニャックで仕上げた

 

オレンジソース。

 

柑橘の酸味がシャンパーニュに寄り添います。

 

このクリュグは今は1本¥200000でも

 

買えないものを、

 

なんと、メンバーの方から協賛頂き、

 

今回の企画が実現しましたので、

 

皆で手を合わせてAさんに感謝しました。

 

そのクリュグはお昼のテイスティングでは、

 

今一つ、どころか3つくらいの状態。

 

お預かりしたこちらの保管が悪かったのかと

 

とても悩みましたが結果は大成功で、

 

ボトル後半から突然化けて景色が変わり、

 

嵐から好天になり

 

「旨味は沈む」を体験できました。

 

これは自分に言い聞かせている事ですが(( ´艸`)、

 

だから飲むときにコルクを抜いてはダメなんだと。

龍神丸と塩だけで炊いた「タコ飯」

 

 

そして3L のダブルマグナムに移ると、

 

あらあら不思議、ぐいぐい飲める世界が広がる。

 

当然ながら初めての方は目を丸くする、

 

そんなはずはない!と。

 

ワインの資格をお持ちの方でもこのことは

 

ご存知ない方が多いようで、

 

皆一様に

 

「大きなボトルは熟成がゆっくりだから」と宣う。

 

So what?

 

だからそれがどうしたの?と思うのだが、

 

誰も明確な答えを示してくれる人はいませんね。

 

まずこの大きいサイズは機械詰めできないので、

 

すべて手詰め。

 

それと美味しい原酒が沢山入っている事。

 

だからストレスがかからず伸びがすごい。

 

そして「ここアンダーライン」というところが、

 

だから酔い心地が頗る良いというところ。

 

生産量が少なく蔵の看板商品なので、

 

どこの誰に売ったか記録がある、はず。

 

だから4倍大きい瓶に入っている希少性よりも

 

味が10倍ほど美味しいことに価値がある。

 

24時間前に抜栓し、飲み始めて4時間経っても

 

一向に変わらず、

 

「逆にもっと旨くなる!」と一同驚愕!!!

 

小樽発酵で酸化のニュアンスの強い

 

クリュグの開かせ方と、

 

3L の開かせ方の実験は成功だったと思います。

 

いつもは合間に皆さん水を飲むのですが、

 

誰も飲まず、シャンパーニュを

 

「朝まで飲みたい」状態でした。

 

最後はおまけのサントクロワデユモン。

 

これはチロルチョコの甘栗チロルと

 

アップルパイに合わせてお開きでした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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