ヴィンテージワイン会

2015年6月28日(日)

美魔女、熟女の生まれ年ワインを飲む

 

昨夜のワイン会は1985年のシャンパーニュ

 

マルキドサドでスタートです。

 

この中では若いものの、30歳のワインなので、

 

そろそろ中堅クラス?の仲間入りで

 

泡立ちは弱くなっていますが、

 

深まった味が突き出しの小鉢を盛り立ててくれます。

 

ここから参加メンバーの生まれ年ワインの登場です。

 

酔って味が分からなくなる前に、

 

恒例の一口テイステイング。

 

グランヴァンの3種、マルゴーとラミッションオーブリオンは、

 

美味しさが全開で1967年ラミッションオーブリオンは

 

一番の出来でした。

 

他の蔵では苦戦した’67ですが、

 

ここは最高20%位まで悪いぶどうを捨ててまでも、

 

味の良さを追求してきました。泡もの二番目は

 

ボランジェの傘下1959年 イロワ キュヴェマリーアントワネット。

 

奥行の深い熟成感があるものの、泡立ちはほとんどなく、

 

飲みこんで10秒くらいして

 

やっと味わいが広がり、マルゴーとは別の

 

「身体に染み込んでいくような感じ」がでます。

 

次は1957年ピュイスガンサンテミリオン。

 

ただのACそれも評価の低い右岸のはずれ年のワイン。

 

しかしこの造り手は1980年頃までは実力のあったネゴシアンで、

 

今は最大手に吸収されてしまいましたが、

 

60年代ころまであの「ペトリュス」を自社で瓶詰めしていました。

 

ブラインドで飲んだら誰にも当てられないワイン。

 

現地での保存状態がとても良かったせいで、

 

グラスに注いで目が点になりました。

 

この年齢ではありえないほど色が明るく

 

チャーミングな美魔女ワインでした。

 

この胸躍る驚きを寡黙な優しさで鎮めてくれたのが、

 

1954年ムートンカデでした。

 

マディラ香が熟成のピークを感じさせ、

 

しかし独り歩きせず料理に寄り添ってくれます。

 

圧巻は、だれも知らなかった、

 

コンディション抜群の1952年ジゴンダスロゼ。

 

熟成香豊かでも若々しく、円やかなのにすっきり、

 

でも軽やかな余韻がずっと続きます。

 

全ての料理と良いマリアージュを見せ、

 

これから10年以上若さが続きそうな熟女です。

 

お料理は、刺身盛り合わせ、うにプリン、

 

野菜と海老のあんかけスープ仕立て、

 

ハモと梅肉の揚げ寿司、穴子スモークポワレ肝ソース、

 

野菜たっぷりの和風ヴィシソワーズ。

 

3時間を過ぎて最後の料理になったころ、

 

少なくなったワインの後ろから姿を現したのは、

 

ボトルにたっぷり溜まった澱でした。

 

今まで捨てていましたが、

 

実はこれが「まったり美味しい」。

 

だからデカンタージュするのをやめました。

 

この最後のピアニシモの一滴に会うために。

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