ピカソのワインには重要な意味合いがある。
というのもこの年に念願叶って1級になれたからである。
今の人たちは知らないと思うがムートンはずっと2級で、
1959年からの1級への格上げ申請書類が68kgにもなっていた。
それがやっと1級に昇格し、その記念もあって1959年に
書かれたピカソのバッカナル(酒の神の宴)をラベルに選んだ。
今回はこのワインを中心に脇役達を同じムートンの子会社の
ムートンカデのラインナップから揃えた。
予算を考えなければ全てムートンで揃えることは容易い。
それは転売商品として沢山流通しているから。でも、
今回のミーズドラバロニー等は探すのが大変だった。
その脇役達は当日6時間前チェックでは全て同じ香りで、
ムートンとの違いが分からない。
そして味を見て初めてそれぞれの個性が分かる。
それぞれの畑は離れていて格付もムートンより劣るのに、
そう、人と同じで生まれより育ちなのである。そして、
立派になった39歳らが48歳をちゃんと敬っている。
ちょっと勉強した人たちは「1973は外れ年なんだ」と言うが、
それが知識だけを学び、経験のない人のセリフだと言うことが
飲んでみて初めて分かる「ムートンに外れがない」と言うことを。
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