2015年3月18日(水)

 

ワインの一生も人間ととても似ているような気がします。

社会に出て約20年、人生が少し分かってきたころ、不本意ながらも体力の衰えを

認めつつも前に進んでいる姿、これはこのまま写真のワインに当てはまるようです。

出来立てのころ(若いころ)の力強さや青臭さは社会の波にもまれ(熟成で)消え、

その代りにおおらかさと豊かな味わいが出て、あらゆる場面(料理)と素晴らしい

「マリアージュ」を見せてくれます。

まるで一流の営業マンが手際よく仕事をこなすように。

「40代、まだまだこれからですよ!」。

特にこのくらいのワインは、前日抜栓、室温20℃以上キープし、

大ぶりのグラスに1割くらい注ぎゆっくり楽しむこと。王様のように。

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2015年3月16日(月)

 

写真右端のシャンパーニュ(アンリグトルブ)を訪れた20年前、すべてのサイズと

種類(ハーフから6Lまで)を仕入れ、少しずつ飲み比べてきた結果分かったことですが、

2本分のマグナムサイズ以上は手詰めで、機械でワインを瓶詰(早く瓶詰)すると、

ワインにストレスがかかり、後々味に影響が出てきます。

大きいボトルは蔵の看板なので、瓶詰もゆっくりと慎重に味に影響が出ないようにし、

もちろん美味しい原酒の割合が増え、熟成も穏やかにゆっくり進みます。

極端に言えば、ラベルは同じでも大きいボトルのワインは「別物」です。
左端の’87はハーフボトルなので今がピーク、でもこの外れ年のクリュブルジョワでも

しっかりした造りで、コルクの頼りなさは気になりますが、このクラスとしては90点。

次の’66オーブリオンは昨年開けましたが、ピークまであと10年はかかりそう。

’49パルメは今から10年以上楽しめ、最後の6L シャンパーニュはこれから30年以上

幸せを分かちあえそうです。

ハーフボトルは家庭の一人用のお風呂、6Lボトルは100人用の温泉にひとりで浸かって

いる感じで、ゆったりした、ゆとり感が違います。いつも言っていますが、飲み過ぎて

ろれつが回らなくなっても飲み続けたい1本です。

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2015年3月14日(土)

 

いつの時代も、志を高く持ち、自分の理想を追い求め、一心に仕事に

打ち込む人たちがいます。そんな人達は、自分が誰も届かない高見まで上り詰めて

しまったことに気付かず、驕り高ぶることはありません。もちろんワインの世界の

巨匠と呼ばれる人達も例外ではありません。ただ、1980年代前半までは、

あまり個人の名前が前に出ることはなく(有名メーカーの下請け)、後で

「あの時代のあのメーカーのワインは素晴らしかった」と言われるだけです。

音楽でもスポーツでも超一流で「雲の上の人」は一般では考えれれないものが

見えていて、それに向かって努力しています。基本が大事、そして毎日の練習も

もちろん大事です。ワインの世界でも、地道に毎日畑に出て、ぶどうの樹と対話し、

僅かの変化も見逃しません。

野球で、対戦相手のピッチャーがブルペンで投げている時にはすでに、相手の

今日のコンディションが分かり、攻略できる確信が持てるような物です。

ここからが本題で(前ふりが長すぎました)、1980年代前半までのINAOの規定が

現在よりも厳しく、更に天候も冷涼だったので、現在のように生産者有利の緩い

基準と違い「本当に良い物しか認められなかった」というのが理由です。

歴史を振り返り、当時の記憶を辿れば、まだまだ美味しいワインが見つかります。

たとえば、今はルロワに吸収されてしまった「シャルルノエラ」などがいい例ですね。

写真左のシャサーニュは白の当たり年’74ラモネ、’69ラフルールは絶品、

最後は知名度の低い(日本では知らない人が多すぎる)大当たり年’78デュフルール

これらを探して見るのもいいでしょう。

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