2016年5月17日(火)

 

習い事をするには道具を揃えなくてはならないのは

 

誰もが知っていることで、

 

習字の筆、武道の道衣、球技のラケットやスパイク等それぞれ色々ある。

 

そろばんの暗算もそろばんを揃えておかないとできないが、

 

ワインに関しては違うようだ。

 

「グラスを買う予算があったら、もっとワインを飲め」

 

とばかりに

 

大事な道具のはずのグラスの話は後回しが多い。

 

確かに100円ショップのグラスでも空き缶でも紙袋でも、

 

さらに手ですくっても飲むことはできる。

 

しかしそれで旨いか?本当の味がわかるのか?

 

経験を積んだ目利きならば、

 

生地見本を見てどんな服になるか分かるように、

 

紙コップの試飲会でも良いものを選べるだろう

 

(あくまでもプロの話だが)。

 

写真のグラスは左がブルゴーニュタイプで、

 

単一品種つまり原料のぶどうが1種類のものに向く。

 

もちろん例外はあるがほぼ間違いない。

 

右の方はボルドータイプで原料が複数種使われている物に

 

合うとされている。

 

ワインは1998年ロッソディディモンテプルチアーノで、

 

ぶどう品種は単一品種のプルニョーロジェンテイーレ。

 

両方のグラスに同じ量注いだが、傾けてみると色がだいぶ違う。

 

味も見えるとおりで、左のグラスでは味わいが薄く柔らかくなり、

 

右のグラスでは濃く締まった味だ。

 

この品種特有の花の香りも左では感じるが、

 

右ではあまり出ない。

 

専門の資格を持っている人達には当然のことだが、

 

右のようなグラスや紙コップの試飲会でも、

 

左のグラスで飲むような味と香りを想像できないと

 

料理とのマリアージュ等語ることができないと思うがいかがだろうか?

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2016年4月21日(木)

 

最高に美味しいワインはロマネコンティではなく

 

リシュブールと言う人が多い。

 

ロマネコンテイに来た客を帰りに自分の家に連れてきて、

 

自分のリシュブールを飲ませ、

 

このワインの方が美味しいと言って憚らないのが、

 

共同経営者だったルロワ。そのような営業努力もあり、

 

アメリカではルロワのリシュブールの方が人気があるようだ。

 

しかし上には上がいて、

 

知名度が低く忘れられつつある中にキラリと光るものがある。

 

この3本はそれぞれ美味しいのだが、

 

左端は有名なロマネコンティで、

 

あのルロワが共同経営に入る前の

 

最後の桶売りを瓶詰したもの。

 

肩に貼ってあるはずのラベルが無く

 

皆が偽物か?と疑ったが、

 

一番へたくそな造り手でテデュレールというらしい。

 

しかし、飲んだ当日は抜栓後4時間以上も楽しませてくれた。

 

次は、一時代を築いたジャングロのもので

 

これもロマネコンテイを凌ぐと言われているもの。

 

そして、同じシャルルでもノエラではなく

 

ダークホースのシャルルヴィエノ。

 

以前ワイン会でリシュブールを飲み比べることにしたのだが、

 

これら6本のうち一番旨かったのがシャルルヴィエノ。

 

圧倒的なバラの香りと胸の奥からとろけてしまうような味わい。

 

これを始めに味わってしまったので、

 

他のワインは皆霞んでしまった。

 

有名なルロワの’88以前のリシュブールの中身は

 

シャルルノエラのものだった。

 

自分のラベルで出すものと他人のラベルが貼られるものと

 

どちらに美味しいワインを入れるだろうか?

 

もちろん自分のラベルに決まっているが、

 

それを軽く上回ったのが黒いラベルのシャルルヴィエノ。

 

ワイン会のメンバー達も最初からこれが出たので、

 

面食らったと思う。

 

ローヌの銘酒を密かにブレンドしていたのは公然の秘密だが、

 

ロマネコンテイを負かす美味しさの前には

 

すべてを許される気がする。

 

ただ、この圧倒的な魅力は誰にも気付かれることなく消えてゆく。

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2016年3月24日(木)

熟成肉が流行り出したと思ったら、

 

魚も負けずに熟成を仕掛けられている。

 

肉の場合は、(たぶん)科学的な裏付けの元に仕上げる

 

「ドライエイジング」で、

 

最終的には加熱調理をする。

 

一方熟成魚は1-2週間、物によっては20日以上寝かせ、

 

生食である。

 

細菌検査には2~3日かかるのだが、

 

提供する前に検査をしているのだろうか?

 

提供するタイミングと合わせるのは難しい思うが、

 

百歩譲って、板長が

 

「俺がやってるんだから心配ない!」と言いながら

 

「目力」でも使って滅菌しているのか?

 

一般的に、刺身用食材の滅菌方法を積極的に

 

開示している飲食店はないだろう。

 

出来ることは低温保存か内緒で希釈した塩素水で洗う事くらいだろう。

 

しかし、塩素の臭いが残り、生食時に不快になる(回転ずしのネタ等)。

 

先日、予約の取れない熟成魚の鮨屋で

 

ワイン会をやった人の記事を見かけたが、

 

科学的に考えて安全を担保していない物をなぜ喜べるのか不思議だった。

 

ワインを造る時も務めて衛生的にしていても、

 

酸敗や細菌汚染の心配があり、

 

ワイナリーではSO2やオゾンを使って滅菌をしていることを

 

知っているはずなのに、

 

なぜなにもしていない刺身や寿司ではOKなのか、だれか教えてほしい。

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