2020年11月20日(金)

熟成しないワインは、

 

キャッシュフローを安定させるためにも

 

もともと早くお金に変えるのも目的だったので、

 

早く売り切らなくてはならない。

 

寝かせるコストも省け、ラベル汚損などの

 

クレームも激減するのが見込まれれば、誰が進んで

 

ワインを熟成させようと思うか?

 

そもそもの技術革新は高い志の元始まったと思うが、

 

何でも物は使いようで、その技術も使い方を間違えば、

 

只のなんちゃってワイン製造法になり、

 

あの有名5大シャトーの責任者の一人も、

 

「時代の流れに合わせて変えていかなくてはならない」

 

などと、のたもうたようである。

 

それで、現行のワインを批判するわけでなく、

 

理屈はさておき,味の違いを体験して欲しくて、

 

この試飲会を企画した訳である。(やっと本題に入れた)

 

2000年以降のワインしか知らない人が多いのは、

 

フランスの核実験ボイコットの影響で、

 

大量のチリワインが安価に流通したことが原因でもある。

 

大量のワイン愛好家を増やすのに役立ったのではあるが、

 

本来のワインの味わいではなく、

 

ぶどうジュースにアルコールを入れた様なものが

 

沢山流通した。

 

そのようなワインでは、

 

「マリアージュは語れませんよ」

 

と言うことを体験して欲しいのである。

 

それで今回は比較するために同じ地方のワイン、

 

バルベラダルバ2016年を先に飲んでから

 

バローロを飲んでもらった。

 

あまりの違いに「飲んだことのない味だ」とか、

 

「ぐいぐい飲めるし、気分悪くならない」と

 

お褒めの言葉まで頂いてしまった。当然これは

 

想定していたが、いくつになっても褒められるのは

 

嬉しいものだ。でもそれはワインであって主催者の

 

私ではないのだが。

 

その5へ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

クリアスペース
2020年11月20日(金)

それは作り手が夢見ていた、

 

すぐに美味しく飲めるワインの誕生だ。

 

もちろんこれは皆に大歓迎された。

 

というのも出来て直ぐのワインは酸っぱくて

 

渋くて飲みにくく、蔵で瓶詰後2,3年寝かせないと

 

飲めなかったが、それが

 

すぐに飲めてお金に変わるからだ。

 

出来て直ぐに飲めなかったのが飲めると言うことは、

 

魔法のような味の化粧できるのを意味した。

 

特に2000年以降はその傾向が強く、

 

味が薄いのをアルコール度数を上げて隠し、

 

コクがないのを樽を使っていないのに樽の香りを

 

付ける方法等々魔法のようなテクニックが出現した。

 

当然お金の臭いに群がる輩も増えて、

 

世の中が白黒から天然色のカラーに変わったようだった。

 

このテクニックは外れ年が当たり年に変わり、

 

その結果生産者に億万長者が沢山生まれ、

 

そのワインを点数評価する評論家にもお金が回っていった。

 

これでめでたしめでたしとならないのが世の中で、

 

この産業革命に乗れなかった良識ある人達から

 

反感を買ったのは当然だろう。

 

3歳の子供が大人のセリフを言うようなもので、

 

それはそれで頼もしくも将来が楽しみとも思えるが、

 

20年経っても同じなら、誰からも称賛されない。

 

そう、ここが肝心なのだが、

 

成長の伸びしろが少なく、熟成しないワインの誕生でもあった。

 

その4へ

 

 

 

 

クリアスペース
2020年11月20日(金)

先週の試飲会の続きだが、

 

もちろんそのマダムから生まれ年ワインと

 

グラスの注文を頂いたのは言うまでもない。

 

また別の方は

 

このグラスがよほど気に入ったと見えて、

 

満面の笑みで口にグラスを当てながら、

 

「ピタッと吸い付くようだ」と、

 

この方もグラスをお求めになられた。

 

グラスの段階で躓いていると、

 

なかなか本題のバローロに入れない。それは、

 

ワインのレベルが上がると、グラスも適切なものにしないと

 

残念なことになるのを何回も見ているので。

 

IT長者が腰に手を当てて、

 

ロマネコンティをラッパ飲みするのが

 

成功の証と聞いたことがあるが、

 

ラッパ飲み選手権のようなものがあれば、

 

世界一美味しいラッパ飲みになろうが、

 

グラスが無ければ本来の素晴らしさは絶対に...無い!

 

世界一速いウサインボルトにスリッパを履かせて

 

リハーサルなしで走らせるようなものだ。

 

きっと世界一速いスリッパチャンピオンになるだろうが、

 

一同皆「もったいない!」と思うはずだ。

 

やっとバローロに戻るが、

 

このバローロが造られた年を境に世界的な

 

味の産業革命が起きた。

 

そう、完璧にワインの味が変わったのだ。

 

その3へ

 

 

 

クリアスペース

PAGE TOP