ワイン

2016年1月22日(金)

1本¥1000位のワインでも、

 

アメリカの偉い人が90点を付けることがある。

 

あの「飲む宝石」ロマネコンテイと同じ高得点だ。

 

でも両者は全く別物で同じ90点が付いただけ。

 

ただ困ったことにネットなどで売り出すときは、

 

「あのロマネコンテイと同じ90点ワイン」と大々的に宣伝する。

 

確かに¥1000としては美味しいが、

 

1本¥1000000以上のロマネコンテイには

 

1000回以上飲んでも味は追いつかない。

 

ワインの世界だけでなく他にも

 

分かりにくいものが多く、お寿司のサーモン(鮭でなく養殖ニジマス)、

 

縁側(普通は平目だがアブラカレイ)等。

 

安くて良いものがないはずなのに、

 

安くて良いものがある、「それはこれだ!」と

 

言わんばかりの紛い物が大手を振って歩いている。

 

だから皆もそんなものかと思ってしまう。でも

 

よく考えれば分かることで、¥1000円のワインが

 

ロマネコンテイと同じはずはないし、

 

天然の鮭がサーモンと同じくらい脂が乗っていたら、

 

また天然平目の縁側を握ったら1個¥2000以上になってしまう。

 

どちらが先かは分からないが、

 

「安くないと売れない」または「市場を独占しよう」

 

という販売者の思い込みや、

 

「一円でも安く買いたい」というありえない値段を

 

追い求める消費者も

 

そろそろ考えを改める時だと思う、事故に遭う前に。

 

写真の物は偽物ではなく、ルロワが引き継ぐ前のネゴシアン

 

テデュレールのロマネコンティ。

 

一番下手な瓶詰業者と言わたが、とても美味しかった。

クリアスペース
2015年12月26日(土)

「日本からわざわざ来たんだから、蔵を訪問させて?」といったら、

 

「今忙しい」と。

 

それでもと頼み込んで訪問すると、

 

忙しいはずが皆でお茶を飲んでのんびりしている。

 

こんなところがフランスなのかと思いつつ挨拶をすると、

 

「別に日本に売らなくともヨーロッパに顧客が1000軒あるからいい。」

 

と言われ、

 

そんな事言わないでとゴーミヨの記事

 

(’96年間優秀栽培者受賞記事)を見せながら

 

食い下がり、やっと試飲させてもらっているところへ

 

創業者が出現。開口一番

 

「日本人の女性は始めて見た。可愛いからキスさせろ」と。

 

80歳はとうに過ぎて見える親父の言葉に

 

女将も私も一瞬固まってしまった。

 

その隙に女将を抱き寄せ頬にキス。

 

「ふざけるな、日本では絶対にありえないゾ!」

 

という言葉を飲みこんで我慢していると、

 

この色男は家の親父と同い年の73歳だという。

 

こんないい加減で不謹慎、

 

でもこんな洒落たことは家の親父には絶対言えない。

 

ワインの味よりもこの親父の歓迎にすっかり参ってしまった。

 

気合が入り、全てのラインンナップを仕入れた中の、

 

お気に入りはあと2本。

 

この看板ワインの中身が普通のブリュットではなく、

 

プルミエクリュとグランクリュのブレンドだという事、

 

そして自分の未熟さに20年経ってやっと気づく。

 

あの色男のフランス親父も家の親父ももういない。

 

「ろれつが回らなくなっても、朝までずっと飲んでいたい」

 

と皆が言う、

 

このシャンパーニュにブレンドされた色気の秘密はもう聞けない。

クリアスペース
2015年11月30日(月)

のんびりしているのに気が短いので、

 

今の内から(鬼に笑われながら)

 

来年のワインを準備中。80年代のシャンパーニュ(3L)

 

隣の70年代クリュグが

 

ハーフに見えます。

 

このころは今よりも30%以上収量が少なかったので、

 

一言で言って「旨い」。

 

更に大きい3Lは手詰め。

 

ゆっくり手作業で詰めるのでワインにかかるストレスが少ない。

 

それだけでなく、蔵の看板なので、販売先を控えるだけでなく、

 

上級の原酒(リザーブワイン)を入れる。

 

これを知らないと、

 

お金の問題でなく一生損をする。

 

これから20年以上待つより、

 

今消えつつある宝物を味わったほうが良いと思う。

 

若々しくガツンと来る泡、

 

喉がピリッとして背筋が伸びるような酸味。

 

これも魅力の内かもしれないが、

 

還暦が近くなるとワインに求めるものが変わった気がする。

 

セ〇ス始め有名な秀才達が出現してきても、時間は戻せない。

 

時間の中には天候も含まれ、

 

彼らにいくら力があっても雨雲をよけたり、

 

午後の西日を柔らかくそして3倍長くできない。

 

これらが自然にできた時代、

 

大袈裟に言えば天に恵まれた気候が作り上げた物が

 

ボトルに凝縮されている。

 

それが「酔い心地」となって現れる。

 

殴られた様な力強さに負けない体力のあったころは

 

考えてもみなかったことだが、

 

やさしさ、しなやかさ、絹のようなのど越し、

 

「え、なに言ってんの、女々しい」と思っていたのだが、

 

今は違う。「甘えてんのか」と

 

突っ込みを入れないでほしい。

 

この世に平和をもたらすものは万民を幸せにする鍵なのだから。

 

(今夜は飲み過ぎました)

クリアスペース

PAGE TOP