ワイン

2016年6月25日(土)

和食は結構多めに糖分を使うので、

 

あまり食後に甘いものが欲しくならないはずだった。

 

 

しかし最近は料理の組み立てが変わり、

 

和食特有の弱強弱強の繰り返しではなく、

 

砂糖を加減して食後のデザートを楽しめるようになってきた。

 

しかし、どこにでも解釈の違う店は必ず存在し、

 

写真の「うにプリン」はある店のスペシャリテで、

 

コースの3番目、刺身の次に出る。

 

カラメルソースの代わりの餡はソースに負けないほど甘く、

 

早くもデザートがでてきたようだ。

 

これに合わせる酒は日本酒では料理の良さを引き出せないし、

 

酒も楽しめない。

 

では、何を合わせるか?

 

そんな時はデザートワインの出番だ。

 

 

不思議なもので、日本酒より糖質が3~4倍もあるのに、

 

隠れた酸味と質感の違いで、

 

料理の材料と組み合わせが舌の上にきちんと並ぶのが分かる。

 

つまり、普段あまり気にすることのない出汁の味や、

 

卵の香り、うにの余韻、

 

そしてそれらをまとめる甘みと生クリームなどが

 

ワインを飲んだ途端に、

 

霧が晴れたように姿を現す。

 

「日本に長く暮らしていると、国籍に関係なく日本人になる」と

 

邱永漢さんがおっしゃった通り、

 

例外はあるとは思うが

 

甘みが強い料理でも出汁が入っていればデザートと区別がつくようになる。

 

これは圧巻なことだろう。

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2016年5月31日(火)

「このまま行けば綺麗な景色が見られますよ」と言いながら、

 

山の登り口までしか来ない人と、

 

「景色の良いところをお見せします」と言って、

 

一緒に山を登ってくれる人とどちらがいいのだろうか?

 

答えは勿論後者の方だが、ワインを飲むのも登山と一緒で、

 

先達に付き添ってもらい、味の景色の見せ場を存分に味わいたい。

 

飲んでから「このワインはなぜ旨いのか?」との理論は後付けでいい。

 

その場合、教科書の知識と違い、

 

実践を積んでいないと味の流れも見えない。

 

山の天気が、これから晴れるのか曇るのか、

 

このワインの味が開くのか閉じたままか?

 

この判断を下すのはまるで登山と一緒で、

 

古い20年以上寝かせたワインを、

 

その場で開けるか、前日に開けて待つか、この辺も経験が物を言う。

 

その経験にも色々あり、

 

〇国ホテル出身のソムリエの店を紹介されたところ、

 

「うちではパーカーポイント90点以上の物しか置かない」

 

と言われ驚いてしまった。

 

この店の提供するのは、ワインの美味しい景色ではなく、

 

「良い点数の付いたワインを飲めるのは幸運なこと」という

 

絵に描いた餅のようなものだった。

 

このソムリエはパーカーポイントという山の8合目しか知らない。

 

百歩譲ってそれも素晴らしいのだろうが、

 

世の中それがすべてのように

 

言われても合点がいかない。

 

確かにこのポイントは画期的なことで、

 

今まで皆が認めていたワイン達に「ここ大事だよ」と

 

アンダーラインを引いたようなものだから。

 

このようなことを踏まえて、

 

SNSなどを使い十分に人物を調査をした上で

 

道先案内人を選ばないと時間が無駄になってしまう。

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2016年5月17日(火)

 

習い事をするには道具を揃えなくてはならないのは

 

誰もが知っていることで、

 

習字の筆、武道の道衣、球技のラケットやスパイク等それぞれ色々ある。

 

そろばんの暗算もそろばんを揃えておかないとできないが、

 

ワインに関しては違うようだ。

 

「グラスを買う予算があったら、もっとワインを飲め」

 

とばかりに

 

大事な道具のはずのグラスの話は後回しが多い。

 

確かに100円ショップのグラスでも空き缶でも紙袋でも、

 

さらに手ですくっても飲むことはできる。

 

しかしそれで旨いか?本当の味がわかるのか?

 

経験を積んだ目利きならば、

 

生地見本を見てどんな服になるか分かるように、

 

紙コップの試飲会でも良いものを選べるだろう

 

(あくまでもプロの話だが)。

 

写真のグラスは左がブルゴーニュタイプで、

 

単一品種つまり原料のぶどうが1種類のものに向く。

 

もちろん例外はあるがほぼ間違いない。

 

右の方はボルドータイプで原料が複数種使われている物に

 

合うとされている。

 

ワインは1998年ロッソディディモンテプルチアーノで、

 

ぶどう品種は単一品種のプルニョーロジェンテイーレ。

 

両方のグラスに同じ量注いだが、傾けてみると色がだいぶ違う。

 

味も見えるとおりで、左のグラスでは味わいが薄く柔らかくなり、

 

右のグラスでは濃く締まった味だ。

 

この品種特有の花の香りも左では感じるが、

 

右ではあまり出ない。

 

専門の資格を持っている人達には当然のことだが、

 

右のようなグラスや紙コップの試飲会でも、

 

左のグラスで飲むような味と香りを想像できないと

 

料理とのマリアージュ等語ることができないと思うがいかがだろうか?

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