やっと本題に入り、バローロに舌鼓を打って頂くのだが、
初めにグラスで表情が変わり、飲み進んでいくうちに
酸化と温度変化でも変わっていくのである。
つまり、一口づつとはいえ同じ味はないのである。
本のページをめくっていくように一口づつ
味の表情と景色が変わり夢の世界へと誘う。
そしてそこにつまみが入ると景色が3D、
立体的になる。
イタリアワインなのでピザという話があったが、
なかなか手作りはできないので、それなりの物を
オリーブオイルで合わせて頂いた。
少しは腹の足しになるようチキンカツに
ハニーマスタードソース、
ささかまにドライトマトとバジルソース、
そしてサプライズの3本目。
このワインは最高に人気がない。
決してまずいわけではなく、甘口デザートワインと
いうだけで選ばれないワインだ。
ただ飲ませると皆「お代わり!」と口をそろえる。
このワインに合わせるのは黄色くて甘い物がいい。
一番はシュークリーム、プリンだが日本的なもので
最高の物が数多くあるが、今宵は
白かりんとう、カレーライス、チーズケーキ、
この3種をお出ししてマリアージュを確認した。
バローロの結論はこの25年でも美味しいのだが、
まだ酸味と渋みが料理の塩気と張り合ってしまう。
その攻防も楽しいのだが、
あと15年待ってみるのも良いと思う。