2019年7月9日(火)
フグに合うワインを探す

旨味の多いフグに合わせるのには

やはり懐の深いワインが良いようだ。

今回は熟成30年以上のシャンパーニュ2種(3本分)

それに知名度は低いが飲めば納得の3種を合わせた。

欠員が出たので’66のコトードレヨンはお休み。

初めはシャルドネに押されてすっかり影の薄い

ボルドー辛口。

若い時から酸味が穏やかで飲みやすいが、

30年以上の熟成でさらに後味が長くなり、

料理を邪魔しないマリアージュを楽しめる。

次はAOCの礎を築いたルロワ男爵フォルテイアの白。
お店でこれを寝かせているところがあれば

すぐに常連になった方がいい。

香りに個性があるがそれは癖ではなく、

全てを許してしまう大らかさ。

ボルドーでは出せなかった円やかさは

ふぐの旨味と絶妙の組み合わせ。

次のドイツ、それもラインの70年代は

「真実を知るまた一つの方法」かもしれない。

他の2本にはない優しさあるいは慈しみを感じる。

それはふんわりとした軽いダウンをまとったようで、

同じドイツでもモーゼルのような時折見せる

几帳面な酸味ではない。その理由の一つは

10%くらいと思われる低いアルコール度数。

人気ではフランスやイタリアに負けているが、

これは旨味の多い和食に合う。

そして熱烈なファンがいる ド カステラーヌ80年代。

このころは今より味が濃く、更にマグナムなので

瓶詰ストレスも少なく、美味しい原酒の割合が多い。

ゴクゴク何時までも飲める味わい。

予算に糸目をつけなければ毎日飲みたい一本だ。

最後の泡物もNVだが60年代蔵出しの優れもの。

このレベルの味は別次元で全ての料理そつなくこなす。

つまみは今まで封印していた隠し玉のような

一見ただの焼き魚だが食べると旨味の塊に

皆驚く。

それはあまり美味いと言ってもらえない「カマス」

を焼いただけなのだが、その味付がミソ(味噌ではなく)で

カツオの塩辛の‛酒盗’に一晩酒と一緒に漬け込み、

焼いたもの。これだけ見ると頼りないが、

味は(大袈裟に言えば)旨味が爆発するほどで、

「かますってこんなに美味しい魚だったのですか?」

と聞かれ女将共々にっこり。

次の鶏は見た目はただの照り焼、

でもジャカール処理して秘伝のタレに一晩漬けているので、

中まで味が染みている。

ドイツワイン(ルーランダーとヴァイスブルグンダー)

に合わせたのが最高とお褒めを頂いたので

この後のチーズケーキまで飲むことになった。


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