ロマネコンティをラッパ飲みするのは、
ウサイン・ボルトをスリッパで走らせるようなもの。
前回ブログで我が家のワイン会の特徴を書きましたが、
ワイン以前にグラス選別で味が決まってしまうので、
我が家ではブルゴーニュワインの時は
バルーン型のロブマイヤーグラスを使っています。
ちょっと考えればわかることですが、
グラスの材質と形状で香りの立ち方、
味の奥行きが変わります。
もちろん注ぐ量と温度でも変わるので、
事前に温度管理と試飲は欠かせません。
大人の事情でこの事はあまり知られていないようで、
体験したことがない人が多く、
「良いグラスを買うならワインをもう1本買おう」
となっているのだと思います。
ワイン歴30年以上の人が、
「いいワインは沢山飲んだからあとは
下山ワインでいい」
などと言っている人をSNSで最近見かけますが、
この様なグラスで状態の良いワインを
事前に抜栓し、
温度管理しながらデカンタージュして、
十分開花したものを楽しんできたのならば別ですが、
馴染みの店に持ち込み、その場で抜栓し、
店のグラスを借りて人数分均等に注いで
「めでたし、めでたし」では、
映画の予告編で帰ってくるようなもので、
「もったいない!」。
また如何にその場でコルクを抜くか、に
命を懸けている人もいるようで、
料理の前に魚を上手にさばいて、
下拵えするのをその場でやって見せても
間に合わないと思いますがどうでしょう?
300万円位するロマネコンティを飲むなら、
この様なロブマイヤーのブルゴーニュグラスで
飲まなければ香りが半分以下、
もちろん味の奥行き全体像も感じられない、
はず。
300kは出るスーパーカーのタイヤが丸坊主でも、
フルスロットル時の性能を感じられるだけの才能と
経験をお持ちならば別なのですが...
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