「このまま行けば綺麗な景色が見られますよ」と言いながら、
山の登り口までしか来ない人と、
「景色の良いところをお見せします」と言って、
一緒に山を登ってくれる人とどちらがいいのだろうか?
答えは勿論後者の方だが、ワインを飲むのも登山と一緒で、
先達に付き添ってもらい、味の景色の見せ場を存分に味わいたい。
飲んでから「このワインはなぜ旨いのか?」との理論は後付けでいい。
その場合、教科書の知識と違い、
実践を積んでいないと味の流れも見えない。
山の天気が、これから晴れるのか曇るのか、
このワインの味が開くのか閉じたままか?
この判断を下すのはまるで登山と一緒で、
古い20年以上寝かせたワインを、
その場で開けるか、前日に開けて待つか、この辺も経験が物を言う。
その経験にも色々あり、
〇国ホテル出身のソムリエの店を紹介されたところ、
「うちではパーカーポイント90点以上の物しか置かない」
と言われ驚いてしまった。
この店の提供するのは、ワインの美味しい景色ではなく、
「良い点数の付いたワインを飲めるのは幸運なこと」という
絵に描いた餅のようなものだった。
このソムリエはパーカーポイントという山の8合目しか知らない。
百歩譲ってそれも素晴らしいのだろうが、
世の中それがすべてのように
言われても合点がいかない。
確かにこのポイントは画期的なことで、
今まで皆が認めていたワイン達に「ここ大事だよ」と
アンダーラインを引いたようなものだから。
このようなことを踏まえて、
SNSなどを使い十分に人物を調査をした上で
道先案内人を選ばないと時間が無駄になってしまう。