2016年10月20日(木)

リシュブールというワインがある。

 

飲んだことが無くとも聞いたことはあるかも知れない。

 

噂によると、昨年のランキングで世界一高いワインになったらしい。

 

きっとそれはあのワインの神様、

 

アンリジャイエのものだろう。

 

でもこのリシュブールは

 

1種類だけでなく色々なメーカーが作っている。

 

ビン詰だけしている目利きもいて

 

探す楽しみは尽きない。写真の右端は、

 

まさに瓶詰だけしているメーカーのもので、

 

星付きのレストラン(トロワグロ等)や

 

豪華客船にだけ納められていたので、

 

知名度が低く知る人ぞ知る名品だ。

 

その隣も日本よりアメリカで有名な凄い作り手の物。

 

そして左端が、今回の目玉。

 

あのロマネコンテイの元共同経営者の

 

ルロワのリシュブールの中身はこれ。

 

ルロワがロマネコンテイに来た客を

 

自分の家に連れて行き、

 

このリシュブールを飲ませて「これの方が旨い」と

 

やったものだから、

 

アメリカでは今でもルロワのほうがロマネコンテイより人気がある。

 

下請けをしつつ、

 

自分でも売っていたらどちらに良いものを入れるだろう?

 

戦争を経験したうちの先代は怖い物知らずで、

 

相場が急騰して逆ザヤになっても

 

涼しい顔でいつもの値段で売っていた、

 

「ちょっとの辛抱だ」と言いながら。

 

このノエラはどうだろう。

 

うちのお人よしの親父の様ではなく、たぶん

 

フランス人特有の強かさで、

 

自分のボトルに良いものを詰めていたと思う。

 

きっとそうだ、フランス人だもの。

 

来月のワイン会で皆で確認することにしよう。

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2016年9月3日(土)

 

飲み残しのカヴァをグラスに注いでみた。

 

結構、泡と共に味と香りも飛んでしまい、

 

気の抜けたラムネになった。

 

 

こちらのグラスに同じように注いでみると、

 

泡立ちが少なく味も香りも驚くほど

 

残り、某デスカウント店で¥829円で買ったとは

 

思えない美味さを味わえる。

 

皆が知識としては知っていても、

 

実際に見比べた事のない泡の変化が、

 

グラスの性能の違いを表しているので、

 

味の違いも察しがつくと思う。

 

最初のグラスの値段は¥800で、

 

次のグラスが¥15000。しかし、

 

このグラスで出されたら、1杯¥1500でも文句は出ない味になる。

 

¥800のグラスで19回飲んでも

 

¥15000のグラスの味には絶対ならない。

 

つまらないワインを高いグラスで飲むのを勧めているのではなく、

 

そのワインの性能を

 

十分引き出してから、美味い不味いを判断しても遅くはないだろう。

 

きちんと理論を勉強し道具を揃えれば、

 

どの道も上達が早く、美味しい楽しみに

 

早く出会えると思う。

 

 

もしワインのレベルが高く、このように熟成が効いたものになると、

 

 

あまりの旨さに「朝まで飲みたい!ということになるはずだ。

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2016年8月13日(土)

同じ名前でも、名前が同じなら中身も同じとは限らない。

 

今話題の柔道とjudoなど典型だろう。

 

食べ物の世界でも言えることで、

 

回転寿司と寿司屋の物は見た目は似ていても違うもので、

 

食べればすぐに違いが分かってしまうはずだ。

 

写真の寿司は全て天然物だが、

 

前列の右端と左端が正真正銘の平目の’えんがわ’である。

 

これは8kの平目の縁側で、分かる人が少なくなってしまった。

 

あと何年かすると、この本物が’偽物’呼ばわりされるかもしれない。

 

なぜこんなことになったのかと考えると、

 

情報を含め社会が豊かになりすぎて、

 

今までできなかったことが

 

良きにつけ悪しきにつけ、出来るようになったからである。

 

脂の乗っていない魚に脂たっぷりの餌で

 

全身トロにしたサーモンやまぐろ、

 

草食動物の牛に穀物を無理やり食べさせた「霜降り」など

 

以前は夢だった食品が安易に出回るようになってしまった。

 

ワインなども、技術の進歩のお蔭で、

 

天気に恵まれなかった水っぽい物でも水分を抜いたり、

 

色々テクニックを使うとそこそこ飲めるものができてしまう。

 

樽を使って甘い香りと濃い渋みの化粧など

 

今や一般的で、これらがワイン本来の味と誤解している人も多い。

 

2000年以降新世界のワインを飲み始めた人達は

 

熟成に時間のかかる、

 

しかし心を揺さぶるほど感動させてくれるワインを知らないだろう。

 

 

これらのワインは今が飲み頃で、

 

右端の80年代の物でも他のと比べると

 

とても若く感じる。

 

同じワインでも造られた年度による気象条件やワイン法の違いにより、

 

ブルゴーニュワインというくくりでとらえると、

 

現行のワインと同じとは思えない。

 

食を通じて生活の質を豊かにするのにも、

 

適切な情報を集めないと損をする時代に

 

なってきたようだ。

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