いつの時代も、志を高く持ち、自分の理想を追い求め、一心に仕事に
打ち込む人たちがいます。そんな人達は、自分が誰も届かない高見まで上り詰めて
しまったことに気付かず、驕り高ぶることはありません。もちろんワインの世界の
巨匠と呼ばれる人達も例外ではありません。ただ、1980年代前半までは、
あまり個人の名前が前に出ることはなく(有名メーカーの下請け)、後で
「あの時代のあのメーカーのワインは素晴らしかった」と言われるだけです。
音楽でもスポーツでも超一流で「雲の上の人」は一般では考えれれないものが
見えていて、それに向かって努力しています。基本が大事、そして毎日の練習も
もちろん大事です。ワインの世界でも、地道に毎日畑に出て、ぶどうの樹と対話し、
僅かの変化も見逃しません。
野球で、対戦相手のピッチャーがブルペンで投げている時にはすでに、相手の
今日のコンディションが分かり、攻略できる確信が持てるような物です。
ここからが本題で(前ふりが長すぎました)、1980年代前半までのINAOの規定が
現在よりも厳しく、更に天候も冷涼だったので、現在のように生産者有利の緩い
基準と違い「本当に良い物しか認められなかった」というのが理由です。
歴史を振り返り、当時の記憶を辿れば、まだまだ美味しいワインが見つかります。
たとえば、今はルロワに吸収されてしまった「シャルルノエラ」などがいい例ですね。
写真左のシャサーニュは白の当たり年’74ラモネ、’69ラフルールは絶品、
最後は知名度の低い(日本では知らない人が多すぎる)大当たり年’78デュフルール
これらを探して見るのもいいでしょう。