ワイン

2015年7月3日(金)

ワインは刺身と同じ、なまもので、

 

鮮度と扱い方(切り方)で味が変わります。

 

ワインが刺身と同じといわれても

 

ピンと来ないかもしれませんが、

 

どちらも火を加えずに、そのまま食べるので

 

同じと考えていいと思います。

 

でもワインの鮮度、切り方といっても、

 

瓶の外側からではその良し悪しは分かりませんし、

 

刺身のように色々な種類の包丁を使うわけにいかず、

 

特にワイン初心者は

 

とても困るところですね。

 

ではどう判断するのか?

 

まず刺身で考えれば、

 

一般的に鮮度が良いと身が硬直して固く、

 

白身で一番美味しいとされている「ふぐ」は、

 

平目のように薄く切っても固くて噛めず、

 

食べることができません。

 

だからお皿の模様が透けて見えるくらいに薄く切ります。

 

つまり素材の特徴に合わせて、

 

 

より美味しさを感じやすい形にして提供します。

 

ワインの場合は包丁で切るわけにもいかないので

 

何で切ればいいのか?

 

それは「グラス」で切ります。

 

若くてまだ味の輪郭の分かりにくいものや、

 

逆に熟成が30年以上の

 

味わいが柔軟になったものでは選ぶグラスの形が違います。

 

何の根拠もなく選んだ

 

テイステインググラスでは美味しく飲めません。

 

ではどうやって選ぶのか?

 

最初のポイントは、

 

原料のぶどうが1種類か複数種類かで、決めます。

 

一般的に1種類(単一品種)の時は丸いブルゴーニュタイプ、

 

複数の場合は、ボルドータイプを選ぶようにします。

 

これは目安なので、絶対ではありませんが、

 

グラスの選択が適切でないと、

 

ぶどう本来の香りを感じるのが難しく、

 

たとえばカベルネフラン100%のワインを

 

ボルドータイプに注ぐと、

 

感じられるはずの桃のような柔らかいニュアンスを感じられず、

 

梅酒のような香りになってしまう事があります。

 

これではいくら頑張っても、美味しさは半減してしまいます。

 

選ぶ2番目のポイントは、

 

ワインの体質に合わせたグラスの厚みです。

 

味わいが薄く「シャバシャバ」したものなら厚いグラス、

 

逆に、味が濃く樽の香りの強い物は「ふぐ」と同じで、

 

できるだけ薄くなめらかな材質(カリクリスタル)のグラスで。

 

3番目のポイントはグラスの大きさです。

 

味が薄く「シャバシャバ」したものなら、

 

厚く小ぶりのグラス。

 

逆に、濃い味で樽の香りの強い物は、

 

薄く大き目のグラス。

 

4番目のポイントは注ぐ量です。

 

味わいが薄く「シャバシャバ」したものなら、

 

厚く小ぶりのグラスに

 

全体の3分の1くらい。

 

濃い味で樽の香りの強い物は、

 

薄く大き目のグラスに全体の1割以下、

 

できればスプーン2杯分(20cc)くらい

 

注いで味わってみます。

 

濃くて分かり難いものがほぐれて行き、

 

味の輪郭、景色が見えてきます。

 

いずれも目の前の雲がはれて、

 

絶景が見え始めてくるようです。

 

このように基本のポイントを踏まえて、

 

試行錯誤を繰り返していくうちに、

 

今まで感じたことのない

 

「うっとりするピノノワールの薔薇のような香り」や、

 

身体に吸い込まれていくような酔い心地と共に、

 

美味しさを味わうことができるでしょう。

 

*ワインの鮮度は、輸送、保管温度等を

 

(分かる範囲で)調べ、

 

最終的にはコルクを抜いて、

 

立ち上がる香の強さで判断できますが経験が必要です。

 

鮮度が悪く、力のないワインは劣化が早いので、

 

グラスに注ぐ量は上記の半分くらいで、

 

様子を見ながら調節すること。

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2015年6月25日(木)

これは最高のキュヴェ(一番搾り)だけで造られた

 

シャンパーニュ1959年。

 

名前はIrroy(イロワ)と読みます。

 

あのLeroy(ルロワ)と同じ読み方。

 

ほとんど知られていませんが、大変由緒があり

 

、歴史は17世紀まで遡ります。

 

近くにあるアヴネ修道院と共にこの地では有名で、

 

屋敷はイロワ城と呼ばれていました。

 

1786年、このお城にマリーアントワネットが滞在し、

 

それを記念してこのシャンパーニュが造られました。

 

(もちろん造られたのはずっと後から)

 

1950年代にボランジェのセカンドハウスになってからも

 

銘酒を作り続けてきましたが、

 

残念ながら日本では知名度が低く、

 

国内に同じ在庫がほとんどありません。

 

日本では新しく、ヴィンテージのない

 

(ノンミレジメ)シャンパーニュが主流で

 

諸外国からは、味が分からないと馬鹿にされています。(残念!)

 

やはりシャンパーニュの醍醐味は、

 

ヴィンテージ(ミレジメ)のなかにあり、

 

泡が弱くなりながらも熟成が進んで、

 

深くなった味わいと長い余韻にあります。

 

それはどんな料理とも合い、特にお寿司との相性は抜群です。

 

これをきっかけに

 

ヴィンテージシャンパーニュを飲んでみませんか?

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2015年6月17日(水)

最近ワインを飲み始めた方には聞きなれない名前の。

 

なぜかと言えば、このワイナリーは1983年に隣の

 

有名なシャトーオーブリオンに売却されてもうないからです。

 

知名度が低いのにはわけがありました。

 

ここの経営者はワインの品質の為には名声よりも

 

味を追求すると言う方針で、最近よく聞く「独自化」を

 

すでに第二次大戦後から行った人でした。

 

自分のワインの品質を確認するため2年に一度は

 

有名なワイナリーを訪ね、味の比較をして回るという熱心さ。

 

これは恵まれた味の分かる才能があったためで、

 

当時のボルドーで5本の指に入る一人だったからできたことでした。

 

今度のワイン会で飲むこの2本は外れ年と言われているものですが、

 

同じ外れの’68年ほどではないにしても

 

(この年20%のぶどうを廃棄)

 

品質第一の姿勢は揺るがず、ダメなぶどうは廃棄し

 

’67年は’66と並ぶと称賛されるほどの出来栄えです。

 

この’63もダメダメと言われ続けている年ですが

 

そう言われるお蔭で思ったより安く仕入れられ、

 

今回の飲み比べが実現します。

 

右の’67はあの有名な酒商ニコラの為にビン詰めされた特注品。

 

知名度がないワインはダメ(目安にならない)かどうか、

 

あと10日で結果が出ます。

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