この蔵出しワインは外気温が15度以下の時期に、
ワイナリーから5日で仙台に届き、
それからセラーで25年眠っていました。
プロでなくともラベルの新しさと
ワインの液面の高さは気が付くと思います。
約40年前のワインがこの状態を保っているのは
普通はありえないことで、
時代の変化で届ける予定の飲食店が
次々閉店、そして大地震と出番が無いまま
今日に至ってしまいました。
其のおかげと言っては何ですが、
今回の試飲のチャンスが訪れました。
初めての方だけでなくレギュラーの方達も
蔵出しだけを飲むのは初めてで、
興味深々で始まりです。
いつものように前日24時間前に抜栓、
6時間前にデカンタージュをしながら
香りと味の開き具合を確認します。
蔵出しでコンデイションが良いと、
多分2000年代と間違うような香りと
まだ初々しい酸味を感じられます。
これは蔵出しワインに主に感じられる特徴です。
魚で言うと活魚のプリプリ歯ごたえを味わっている
ような感じです。
最初の1988年レヴォークランも味わってから
少しすると若いワインにはない奥行きと、
立体的なスケール感が出てきます。
甘みよりも酸味が強くほんのりとした渋みも感じます。
後味の余韻の長さが特徴です。
次の85年は3年の違いは大したことがないと
思われそうですが、
子供でも3歳になれば歩くししゃべるし、
大人しくしてくれません。
ワインの3歳違いもとても大きな変化があり、
まず香りの強さは同じでも熟成香が深まり、
落ち着きが違い、ずっと飲んでいたいような味になり、
安心させてくれます。
次のヴォルネーも同じで、
味と香りの奥行きが変わり、
つまみにとても寄り添ってくれるようになります。
さごちタタキはエシャーレット醤油で、
またカツオは山椒醤油と和からしで合わせると、
ワインと距離が縮まります。
写真の下の方に少しだけ写っているのは、
活わたりかにのケジャンで辛い唐辛子味の中に
甘みと旨味が加わったもので、
通常は韓国水あめを使うのを、
我が家ではスコットランドのヘザーハニーを
使っているのでよりワインに寄り添います。
そして〆は龍神丸で炊いたタコ飯。
これは日本酒で炊いたにも関わらず、
ワインにとても良く合います。
今回は熟成が約40年でも蔵出しは、
まだ若く、でも料理に寄り添って楽しめることを
一同で確認できました。
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