11月25日は今年を締めくくるのに相応しいワイン会になった。
リシュブールを開けるのはこれで4回目になったが、敢えてDRC以外で
心を時めかせてくれるものを選んでいるつもりだ。
その中で毎回登場するのがシャルルヴィエノ。
ネゴシアンとして今も活躍しているらしいが、
こちらが評価しているのは80年代の悪法の影響をあまり受けなかった
であろう作品達だ。今回は’82と’83の飲み比べの予定だったが
ヴィンテージラベルがなく、コルクを抜いたところ双方同じ年であることが
判明し急遽’85に差し替える。これが珍しくできの良いポートワインのように
熟成しており、この偶然がデセールのフランボワーズとショコラのケーキに
良いマリアージュとなった。
いつもは大抵シャンパーニュから始めるが、つまみが白に合いそうなので
普段飲めないモエ・エ・シャンドンの泡のない「サラン」で幕開け。
次も中々見つからないポンソがアリゴテで造るモレサンドニ。
「黙って出されたら分からない」と一同驚くナッティーな後味と
長い余韻がムルソーを思わせる。
シャンパーニュヴィネガーとグレープシーズオイルのドレッシングを纏った
酸味の効いたサラダとこれらの味わいが心地いい。毎回登場しつつも
注目されなかった、サヴールクリュブも素晴らしい表情で、やっと皆に
評価され、最後まで崩れることなく主役に寄り添っていた。その主役
’64のマグナムは、これこそリシュブールと言わしめる非の打ち所の
無い完成度と若さで、あと30年いや50年は持つと皆納得。
あのルロワがここから買い取り、自分のラベルで販売していたのは
とても有名な話。「DRCよりも私のリシュブールが旨い」と
蔵に来たアメリカ人に宣伝していたため、現在もルロワの方が
DRCよりアメリカでは高いようだ。
ボルドー好きのAさんは首を傾げつつ参加頂いたが、
「これでブルゴーニュに開眼した」との評価は最高の美味さ
だったと理解している。
オードブルは、サラダ、アワビハム、ツナリエット、フォアグラパイ包み、
イカの塩辛バルサミコ風味、
メインはフランス鴨のフランボワーズソースとポテトピュレ。
お寿司は、酒蒸しタコ、平目縁側昆布締め、本マグロ漬。
デザートはジャマンのレトロフランボワーズ。