和食は結構多めに糖分を使うので、
あまり食後に甘いものが欲しくならないはずだった。
しかし最近は料理の組み立てが変わり、
和食特有の弱強弱強の繰り返しではなく、
砂糖を加減して食後のデザートを楽しめるようになってきた。
しかし、どこにでも解釈の違う店は必ず存在し、
写真の「うにプリン」はある店のスペシャリテで、
コースの3番目、刺身の次に出る。
カラメルソースの代わりの餡はソースに負けないほど甘く、
早くもデザートがでてきたようだ。
これに合わせる酒は日本酒では料理の良さを引き出せないし、
酒も楽しめない。
では、何を合わせるか?
そんな時はデザートワインの出番だ。
不思議なもので、日本酒より糖質が3~4倍もあるのに、
隠れた酸味と質感の違いで、
料理の材料と組み合わせが舌の上にきちんと並ぶのが分かる。
つまり、普段あまり気にすることのない出汁の味や、
卵の香り、うにの余韻、
そしてそれらをまとめる甘みと生クリームなどが
ワインを飲んだ途端に、
霧が晴れたように姿を現す。
「日本に長く暮らしていると、国籍に関係なく日本人になる」と
邱永漢さんがおっしゃった通り、
例外はあるとは思うが
甘みが強い料理でも出汁が入っていればデザートと区別がつくようになる。
これは圧巻なことだろう。