2014年12月30日(火)

 

こんな事を言う人は絶対いませんが、もし奇特な方でお金の使い道に困っている

ようならば、私が手伝ってあげるという事で選んでみました。

まず5位は1955年シャトーディケム。

朝起き掛け、お昼前11時ころ、毎食後いつでも美味しい。

でもいくら美味しくとも量は飲めず、

こってりし過ぎで1週間は続かないので涙を飲んで5位。

4位は1985年シャンベルタン クロ ドベーズ。

黒縁メガネのお笑いの人のように「旨い!」と叫ぶほど本当に旨い。

その辺の若い下手なシャンベルタンよりずうっと上です。

でも朝からは飲めず、日が陰ってから、素敵な女性と一緒に飲みたいものです。

毎日一緒に飲んでくれる人がいないので4位。

3位は1964年シャンベルタン。

この何も付いていない「シャンベルタン」がすごいんです。

かのナポレオンが戦地まで持って行ったワインとしても知られ、また

男性的と言われる魅力的な力強さが持ち味です。この味なら

一人で飲んでもOK.でも朝から一人は寂しい。

2位は1972年ミュジニー。

シャンベルタンと同じ「ピノノワール」から造られたワイン。

でも育った環境が違うため、驚くほど軽やかでチャーミング。

朝からも飲めますが、なんとなく色の付いた酒は午後からの雰囲気。

この魅惑的なワインは「目を開けたまま夢を見せてくれます」。

とても酔い心地も良く、飲むのに専念できて仕事になりません。

1位はNV モエ エ シャンドン。

ラベルから推定すると、’71~73年ごろ製造されたようで、

ぶどう樹齢も現在とは違い、更に収穫量も少なく凝縮した原料を

ふんだんに使えた「良き時代の雰囲気」があります。

円やかなコーヒー(モカ)やショコラの甘い香りに魅了され、

朝から飲みながら仕事が進みそう。とても危険なワインです。

休みが続く「お正月」に超お勧めです。

偶然このサイトで売っているようです。http://www.uogin.com/shop1.php?n=79

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2014年12月26日(金)

 

先日飲んだワインはただのACブルゴーニュ(写真左の物)。

しかし、天候に恵まれた’83、そして優れた作り手によって造られたため、

驚くような味わいに仕上がっていました。

香りは熟成のピークでシェリーやマディラを思わせる熟成香たっぷり。

味はまろやかで伸びがあり、優しいのど越しはピノ特有の包容力を

感じさせてくれました。

並酒が特級に近い味に仕上がった典型です。

メイン料理のフランス鴨ローストフランボワーズ風味と最高のマリアージュ、

付け合わせの「ひょうたんかぼちゃ」も丸ごとロースト45分。

旨みを閉じ込める作戦が成功し「しっとり、こってり、まろやか」に仕上がり、

次に続く、「本まぐろ赤身ヅケ」の握りとも好相性で、ワインも本まぐろも

存分に楽しめました。

「ワインと料理の色を合わせる」と美味しい結果が生まれますね。

ラベルの下に小さく英語で、スウェーデン国王ルドルフ6世への献上ワインと

書いてあり、びっくりして酔いが覚めてしまいました。

この後に右のジゴンダスを開けたのですが、5歳年上にも拘わらず、

固さが取れず、あと10年以上熟成が必要な味わいでした。

ピノノワールと一緒に飲まなければ結構楽しめたかもしれません。

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2014年12月15日(月)

 

「古いワインは何時間前に開けるのか?」と先日のMusignyの会で聞かれたので

その時の説明です。

最近のワイン会では24時間~30時間前に一度抜栓、軽く空気を入れてリコルクし、

8~9時間おきに香りをチェックすると、味わいの開き具合も分かるようになりました。

以前は48時間前に抜栓し、当日開催の6時間前にデカンタージュしていましたが、

最初の1杯でクライマックスで、ゆっくりしていると最後まで持たないのでやめました。

メンバーの皆さんには詳しく説明はしていませんが、前日抜栓が良いようです。

ミュジニーやシャンボルミュジニーは、酸味が前面に出て「薄くてつまらないワイン」と

思っている人が多いようですが、飲む時期が早く(熟成が足りず)、温度が低過ぎ、

抜栓が遅すぎで本来の魅力をなるべく感じないよう努力しているような飲み方で、

旨いわけありませんね。

今回も良いワインそしてメンバー達に助けられ、

同じピノノワールなのにリシュブールには無い「軽やかさ」に誘われて飲み進み、

「こんなに旨いとは思わなかった」という発言が続出し、あっと言う間の3時間半でした。

軽やかでも長く続く余韻、軽薄さは感じられず、バラの香りに包まれて、

才女がてきぱきと仕事をこなして、一緒に食事を楽しんでくれているようで、

「何を聞いても気の利いた答えをしてくれて、旨くこちらに合わせてくれる」

そして「心安さ」を感じられ、魂をクリーンナップしたような、

私にも貴重な体験でした。

このくらい熟成すると合わない料理を探すのは難しいくらい、何にでも合いますね。

名のある造り手の80年代前半までは「はずれがない」と言えるかもしれません。

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